
歯ぎしりは一種の生理現象として多くの方が無意識に行っている行為ですが、実はこの歯ぎしりにより、歯に大きな負荷がかかり、ひどくなると、歯のひびわれ、破損が起こるため、歯科治療の大きな障壁となっています。
歯ぎしりは歯科医師泣かせの症状の一つです。
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歯ぎしりの原因
子供から大人まで多くの方が日常的に行っている歯ぎしりですが、実ははっきりした原因はわかっていません。
日常的に蓄積されたストレスを発散するために行うという意見が主流ですが、噛み合わせが合っていないのを自分の体が無意識に調整しようとしているという意見。
また、乳歯と永久歯が混在する小児の場合は、噛み合わせ自体がまだ完成していないので、噛み合わせが落ち着かなく歯ぎしりをしていると説明されている先生もいらっしゃいます。
歯ぎしりは放っておいても大丈夫?
歯ぎしりは個人差が大きい生理現象の一つです。これくらいなら何の問題も起こらないだろうというケースもあれば、あまりにも強く歯ぎしりをしているために歯が大きくすり減ってきているものまで、実にさまざまなケースがあります。
臨床上、男性の患者さんの方が強い歯ぎしりをされているケースが多いです。歯ぎしりによって歯が大きくすり減ると、歯の中の神経近くまですり減ってきて、酷いときは、神経自体が露出してしまう事があります。
症状としては、歯が頻繁にしみ始めたり、噛むと痛みが出たりという事が起こります。歯がすり減り神経が露出してしまうと、歯の寿命を左右する神経自体を取る必要がでてきます。
歯ぎしりの大きな力によって、歯自体が歯ぎしりによって折れたり、欠けたりするケースや、強い歯ぎしりをしている患者さんは、噛み合わせ自体が安定していないのか、例えば虫歯の治療で被せ物を装着する際の噛み合わせの調整が、難しいケース等様々なケースが考えられます。
また、歯周病の患者さんの場合は、強く噛む力が、歯周病を悪化させてしまうので、歯ぎしり自体が歯周病治療の大きな妨げとなります。
歯ぎしりの治療法は?
歯科医師が行う一般的な歯ぎしりの治療は、患者さんにナイトガードを就寝時に装着してもらいます。
ボクサーが試合中に口の中に入れているマウスガードみたいなものを、患者さん自身に、夜間の就寝中に着けていただきます。これによって、就寝中に歯ぎしりをしていても上の歯と下の歯が直接かみ合う事を防ぎ歯が新たにすり減るのを予防できます。
また、ナイドガードは強く歯ぎしりをすると、次第にすり減ってくるので、ナイトガードのすり減り具合から、どれだけ強く歯ぎしりをしているのかが、判断できます。
歯ぎしりは、患者さん自身がその行為を行っているのに気が付いたら止める、もしくはパートナーなどに歯ぎしりをしていたらその都度教えてもらう)という事を繰り返して、頻度を減らしていくのですが、その過程でこのナイトガードが歯科医師にとって患者さんの状態を判断できる有効な資料になります。
歯ぎしりは、生理的な現象の範疇に入ってくるために中々治療効果が表れにくかったりするケースもありますが、したナイトガードの装着等によって、御自身の歯に対する新たなダメージを予防する事ができます。気になる方は、歯科医院で相談されるのをお勧めします。
まとめ
歯科医師にとっても患者様からのそういった説明は、歯科治療を行う上で、大変有意義な情報となりますので、気兼ねなく相談されてみて下さい。
時折、市販のナイトガードが売られているのを見かけますが、患者さんの個々の歯の型にフィットするものを市販で作るのは不可能です。市販のナイトガードは、装着しても不安定で、違和感があったり、最悪の場合、逆に口の中を傷つけてしまう恐れもあります。
歯科医院で自分の歯並びにあった、オーダーメイドのナイトガードを作ってもらうようにしましょう。
現在では、オーダーメイドのナイトガードも歯科医院で短期間に作ってもらえ、治療費もさほど高額にならないと思いますので、安心して相談してみて下さい。
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