
脳卒中というのは、脳に分布している血管が破れたり、詰まったりすることで生じる病気です。
具体的には、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが当てはまります。
一方、心筋梗塞に代表される心疾患も、心臓に分布する冠動脈が詰まるなどして生じる病気です。
昨今、こうした脳卒中や心疾患にかかる割合が増加しており、生活習慣だけでなく、歯周病などの口腔疾患との関わりも指摘されるようになりました。
スポンサーリンク
1.脳卒中や心疾患の主な原因や誘因
1-1 偏食による動脈硬化で血管が破れやすくなる
脳卒中や心疾患は、それぞれの臓器に分布する血管に異常が生じることで発症しやすくなります。血管が破れるのは、血管壁が脆くなっているためです。
これは日頃から、血管に対してダメージを与えるような食生活を送っていることに起因します。
例えば、塩分やコレステロールの多い食事ばかり摂っていると、血管が硬くなっていきます。
専門的にはこれを動脈硬化と呼んでいます。
動脈硬化によって血管が硬くなったり、脆くなったりすると、何かの拍子に血管が破れてしまうこともあるのです。
そうして起こるのが脳出血やくも膜下出血です。
本来、血管は高い柔軟性を有しており、ある程度の刺激が加わっても破れることはないのですが、動脈硬化によって内壁が硬くなると、簡単に破れることがあります。
1-2.血栓によって血管が詰まる
脳梗塞や心筋梗塞は、血栓と呼ばれる血の塊が生じ、血管が詰まることで発症します。血栓ができる原因というのは、血液の状態や全身状態にも関係していますが、血管が詰まってしまうので、血管自体が狭くなっているからです。
そして、血管を狭くする根本的な原因は、動脈硬化であり、結局は偏った食生活といえます。
2.脳卒中や心疾患が増加している理由とは
上述したように、脳梗塞を始めとした脳卒中や、心筋梗塞に代表される心疾患は、偏った食生活が原因であることが多いです。
昨今は、食生活の欧米化が顕著であり、塩分やコレステロールの摂取量が急激に上昇しているのが主な原因といえるでしょう。
そのため、脳卒中や心疾患の罹患率も上昇してきているのです。
3.歯周病も脳梗塞や心筋梗塞の原因・誘因となる
脳梗塞や心疾患の原因あるいは誘因として、歯周病が挙げられることを皆さんご存知でしょうか。
歯周病は歯茎などの歯周組織に炎症が生じる病気ですので、一見すると脳梗塞や心筋梗塞とは無関係であるように思えます。
けれども実は、それなりに深い関連があることが最近わかってきたのです。
3-1.歯周病は細菌感染症
歯周病がなぜ脳梗塞や心筋梗塞の原因になるのかについて知る前に、まずは歯周病の原因について考えてみましょう。
歯周病は、れっきとした細菌感染症です。歯周病菌と呼ばれる細菌が歯茎などに感染することで、歯周病は発症します。
この歯周病菌が脳梗塞や心疾患の原因および誘因となり得るのです。
3-2.歯周病菌は血液に乗って全身へと移動する
歯周病が重症化すると、歯周ポケットやその周囲で歯周病菌が増殖します。
歯や歯周組織には、当然のことながら血管が通っていますので、増殖した歯周病菌の一部が血管内へと侵入することも珍しくはありません。
そして、血管内に侵入して全身へと移動した歯周病菌は、血管内壁に張り付いたり、細菌そのものが核となって、血栓を作ったりすることもあるのです。
血管の内壁が肥厚すれば、何かの拍子に梗塞を起こすことも十分あり得ます。
そうして起こるのが脳梗塞や心筋梗塞なのです。
4.まとめ
脳梗塞や心疾患は、日本人の死因の上位を占めている重大な疾患です。
それらの原因や誘因となるのは、主に食生活を始めとした生活習慣ですが、歯周病のような口腔疾患もそのリスクとなることを頭に入れておきましょう。
歯周病は歯茎が腫れたり、歯茎から出血を起こしたりするだけの病気ではなく、重症化すると命に係わるような全身疾患へと広がっていく可能性もあるのです。
それだけに歯周病にかかったら、重症化しないようなケアが必要といえます。
歯周病が気になる方は、専門家である歯科医師に相談してみてください。
スポンサーリンク