
顎関節症ではマウスピースを用いたスプリント療法というものが行われます。
このマウスピースはナイトガードと呼ばれることもあり、夜間に装着することがメインとなっています。
そんなマウスピースの管理方法については、意外にあまり知られていません。
ここでは、顎関節症治療で使うマウスピースの洗浄方法や手入れ方法について詳しく解説します。
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1.マウスピースの種類について
顎関節症の治療で用いられるマウスピースは、大きく2つに分けることができます。
それはソフトタイプとハードタイプです。
この2つのタイプは、材質や適応症などが異なるだけでなく、手入れの方法も少し変わってきます。
2.ソフトタイプのマウスピース
2-1.ソフトタイプの特徴
顎関節症治療で用いられるソフトタイプのマウスピースは、その名の通り、素材が軟らかいです。そのため、圧力を加えると形が変わります。
このタイプのマウスピースは、どちらかというとスポーツを行う際に用いられることが多く、ナイトガードとしてはハードタイプの方が活用されています。
ただ、ハードタイプでは硬すぎて口腔内での違和感などが大きい場合は、ソフトタイプに切り替えることがあります。
2-2.ソフトタイプの洗浄方法
ソフトタイプのマウスピースは、常温の水がぬるま湯で洗浄します。
その際、気を付けなければならないのは、熱湯を用いることは厳禁であるという点です。
マウスピースの素材は熱可塑性があるため、熱湯で洗うと変形してしまう可能性があるのです。
マウスピースが変形すると、適切な治療効果が得られなくなるため要注意です。
2-3.ソフトタイプの手入れ方法
ソフトタイプはもともと素材が軟らかいため、硬い歯ブラシでゴシゴシと磨くのは控えてください。
また、手入れをする際に歯磨き粉を使用するのも控えてください。
歯磨き粉には研磨剤が含まれていますので、ソフトタイプのマウスピースを強く傷つけてしまうおそれがあるのです。
2-4.ソフトタイプの管理方法
ソフトタイプのマウスピースは、水を吸うと変形する性質があるため、乾燥した環境で管理しましょう。で
きれば風通しの良い場所に置き、持ち運ぶ際も密閉されない容器に収納することをお勧めします。
また、ソフトタイプのマウスピースは食品などの着色物が沈着しやすい傾向にあるため、装着中の飲食はできるだけ控えることが大切といえます。
3.ハードタイプのマウスピース
3-1.ハードタイプの特徴
顎関節症で用いられるハードタイプのマウスピースは、夜間に装着することが多いです。
素材が硬く、変形しにくい性質を持っています。
一般的に「マウスピース」と聞いてイメージされるタイプのものが、このハードタイプです。
3-2.ハードタイプの洗浄方法
ハードタイプのマウスピースは、ソフトタイプと同様に常温水かぬるま湯で洗浄します。
熱湯で洗浄すると、さすがのハードタイプであっても変形などを起こす恐れがありますので注意が必要です。
3-3.ハードタイプの手入れ方法
ハードタイプのマウスピースも、歯ブラシと歯磨き粉を使って手入れをすると、表面に傷をつくる可能性があります。
傷ができると、そこに食べかすや細菌などがたまりやすくなり、虫歯や歯周病の原因になりますので注意が必要です。
ですから、ハードタイプのマウスピースは、水で洗浄する際に、素手で優しく洗うようにしてください。
3-4.ハードタイプの管理方法
ハードタイプのマウスピースは、水に浸けた状態で管理してください。
これは乾燥によるマウスピースの破損を防ぐためです。
ソフトタイプとは逆に、ハードタイプは乾燥することでマウスピース自体に悪影響が及ぶのです。
4.洗浄スプレーで簡単お手入れ
最近では、ソフトタイプにもハードタイプにも使える、便利な洗浄スプレーが市販されています。
このスプレーを用いれば、マウスピースの汚れを落とすだけでなく、細菌を取り除く効果も期待できるため非常に有用といえます。
5.まとめ
このように、顎関節症治療で使うマウスピースは、タイプによって管理方法が異なります。
ですので、それぞれの特性に応じて、適切な洗浄および手入れを行う必要があります。
もしも洗浄や手入れなどを怠ると、細菌が増殖したり、変形したりするなどして、顎関節症治療の妨げとなるため要注意です。
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