
親知らずの抜歯というと、痛い、腫れる、そして出血するというイメージが強い方もいらっしゃることでしょう。
特に出血に関しては心配される方も多く、具体的な出血量や血小板が減少しているケースの対応について詳しく知りたいかと思います。
ここでは、親知らずと出血の関わりについて分かりやすく説明します。
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1.通常親知らずの出血はどのぐらいか?
1-1.親知らずが正常に生えているケース
親知らずでどのぐらい出血するかは、患者様の歯の状態と歯科医師の抜歯技術によるところが大きいです。
例えば、親知らずが真っすぐ正常に生えていて、歯根の形にも異常がなければ、ほとんど出血しないこともあります。
また、そういったケースではものの数分で親知らずを抜歯できるため、痛みや術後の腫れも少なくなります。
止血までの時間も短く、血餅ができるのも早いため、親知らずの抜歯によってできた穴が塞がるのも非常に早いです。
1-2.歯科医師の技術が優れているケース
次に、歯科医師の抜歯技術が優れているケースについてです。
親知らずは歯根膜と呼ばれる線維性の膜を介して顎の骨とつながっています。
これを上手く剥がして、親知らずを引き抜く技術が高ければ、顎の骨を傷つけず、出血量を抑えながら抜歯をすることができます。
親知らずの抜歯は、歯科医師の技量により、出血量や術後の痛みの程度が大きく異なります。
ですので、できるだけ抜歯処置が得意な歯科医師に抜歯を依頼する方が望ましいです。
口腔外科専門の歯科医師であれば、日常的に親知らずの抜歯を行っているのでお勧めといえます。
1-3.親知らずの一般的な抜歯ケース
では、親知らずがある程度斜めに生えていたり、横に生えている患者様で、歯科医師も一般的な水準の技術を持っているケースについてです。
この場合、ある程度の出血は避けられません。顎の骨にしっかりと埋まっている親知らずを無理矢理引き抜くのですから、出血するのもやむを得ないといえます。
ただ、輸血が必要になるほどの出血はまずありませんし、全身状態に異常がなければすぐに出血は止まります。ですので、親知らずの抜歯で起こる出血量に関しては、それほど気にする必要はないといえます。
それでも、転んで手足を擦りむいた時の出血量よりは多いですが、歯科医師が止血しやすい処置もほどこしてくれますので、その点はご安心下さい。
2.親知らずの抜歯でまったく出血しないことがあるのか?
結論から言うと、親知らずの抜歯で、出血が全く起こらないというケースはあり得ます。
具体的には、1-1のケースと1-2のケースの両方が当てはまるケースに多いです。
つまり、親知らずが真っすぐ生えていて、なおかつ歯科医師の抜歯技術が優れているケースです。
この二つの条件がそろえば、親知らずの抜歯で全く出血が起こらないということもあり得ます。
3.血小板が減少している場合にはそもそも抜歯しても大丈夫か?
血液に異常がある場合の親知らずの抜歯についてです。
親知らずの抜歯には、ある程度の出血が伴いますので、やはり血液の異常に関しては敏感にならざるを得ません。とりわけ、血小板の異常は注意が必要です。
正常な血液であれば、血小板は15万~40万個/μL含まれていますが、血液疾患にかかるとこれが大幅に減少することがあります。
血小板が減ると出血が止まりにくくなりますので、親知らずの抜歯でも注意を払う項目となっています。
具体的にどの数値まで血小板が減少したら、親知らずの抜歯を行わないかについては、それぞれの歯科医師の判断により多少異なりますが、おおよそ最低でも4万個/μLはないとなかなか抜歯には踏み切れないでしょう。
血液疾患を持っている患者様であれば、病院でも治療を受けているかと思いますので、まずはそちらの主治医の意見を聞く必要が出てきます。
また、不安が大きい方は、大学病院などの大きな医療施設で、専門家の意見を聞くことをお勧めします。
まとめ
親知らずの出血量は、ケースに応じて大きく異なります。
良い条件がそろえば全く出血しないこともありますし、条件が悪いと沢山の出血を伴うこともあります。
出血量に応じて、術後の治癒までの期間も変わってきますので、特に病気等で血小板が少ない方は、専門家と相談の上、技術の優れている口腔外科専門の歯科医師に抜歯を依頼、もしくは紹介してもらい、できるだけ出血量の少ない親知らずの抜歯処置を受けるようにして下さい。
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