
最近、ひそかに話題になっている「ブリアン」という歯磨き粉をご存知でしょうか。これはいわゆる「粉歯磨き」と呼ばれる種類の歯磨き粉で、一般的なものとは色々と異なる特徴を持っています。
ここではそんな粉歯磨きの利点や欠点、使用上の注意点などを詳しく解説します。
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1. どうして「粉」にする必要があるの?
まず「粉歯磨き」と聞いて疑問に思うのは、どうして一般的なペーストタイプではいけないのか、という点かと思います。
正直、私たち成人が使う上では、ペーストタイプの歯磨きで特に不自由なく歯磨きができるかと思います。
では、まだ歯が生え始めたばかりの3歳児だったらどうでしょうか。歯ブラシを握って、大雑把にブラッシングすることがやっとの幼児にとっては、ペーストタイプの歯磨き粉をチューブからひねり出して、ヘッドの部分に乗せるという行為はとても難しいといえます。
つまり、この「ブリアン」という粉歯磨きは、基本的にそうした幼児に対して作られたものだとご理解ください。
2. 「粉」でなければならないもうひとつの理由
2-1. 乳酸菌を配合したい
実は粉歯磨き「ブリアン」というのは、単に操作性を簡便にするためだけに粉状にしたのではありません。もうひとつ大きな理由として、乳酸菌を生きたまま配合するという目的が前提としてあるからです。
2-2. ペーストタイプに配合すると乳酸菌が死んでしまう
ブリアンには「BLIS M18」という虫歯予防に効果がある乳酸菌が配合されています。この成分をもし一般的なペーストタイプの歯磨き粉に配合した場合、製品化する過程で乳酸菌は死んでしまいます。
これはペーストタイプの歯磨き粉には、凝固剤や防腐剤といった成分が配合されているためです。
乳酸菌はこういった刺激性の強い成分に弱い性質がありますので、ペーストタイプに配合することは非常に困難だったのです。
2-3. 粉状であれば凝固剤などを配合する必要がない
ペーストタイプの歯磨き粉は、水分が多く含まれていますよね。それでも数ヵ月、洗面所に放置していても腐ることはありません。これは防腐剤などが豊富に含まれているためです。
逆にいえば、乳酸菌を始めとした生物にとっては、あまり良くない成分がペーストタイプの歯磨き粉には含まれているといえます。
一方、これを粉状にすることで凝固剤や防腐剤をほとんど使用する必要がなくなるため、口腔内の健康にとっても良いというメリットがあります。
3. 粉歯磨きの使用方法
粉歯磨きの使い方は至って簡単です。粉状のブリアンをお皿などに適量取り出します。
次に歯ブラシを水で少し濡らし、粉歯磨きにヘッドを数回付けるだけで完了です。
これなら細かい作業がまだ苦手な幼児でも、確実に歯磨きの準備をすることができます。
4. 粉歯磨きはブラッシング後に口をゆすぐ必要がない
粉歯磨きの大きな特徴として、ブラッシング後のうがいが不要であるという点が挙げられます。
3歳くらいのお子さんではまだ自分自身でうがいができないケースも珍しくありませんので、歯磨きの大きな利点の1つといえます。
また、ブラッシング後にうがいをしないことで、粉歯磨きに含まれている有効成分がそのまま口腔内に残存するため、虫歯予防の効果も高まるといえます。
5. 粉歯磨きの欠点とは
さて、ここまで、粉歯磨きの多くの利点について述べてきましたが、果たして、欠点が存在するのか気になるところですよね。
実際のところ、大きな欠点というのは見当たりませんが、あえて言うのであれば、価格が高いという点です。
まだ商品化されたばかりですし、生きた乳酸菌を配合しているため、コストも、それなりにかかっています。
また、大人が使う場合は、幼児の場合と比べてメリットが少なくなるという点も挙げられます。
6. まとめ
粉歯磨きは3歳前後の幼児が使用する上ではメリットが非常に大きい製品です。
多少価格が高くなっていますが、むし歯予防において歯の生え始めはとても重要な時期ですので、粉歯磨きを活用することは決して無駄ではないといえます。
何より、お子さん自身が歯磨きをする習慣が身に付きやすくなる点は何にも代えがたいメリットであるといえます。
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