介護に最適な液体歯磨きの効果的な使い方
- 2017/8/2
- 液体歯磨き

介護の現場では、ペーストタイプの歯磨き粉だけでなく、液体歯磨きも進んで活用されていることが多いです。これは介護を必要とする高齢の方にとって、液体歯磨きがとても使いやすい製品だからです。
ここではそんな液体歯磨きについて、介護における最適な使い方などを詳しく解説します。
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1. 液体歯磨きとは
液体歯磨きとは、歯磨き粉が液体状になったもので、一般的なペーストタイプの歯磨き粉とは使い方が異なります。
具体的には、液体歯磨きを口に含み、適度なうがいを行ったあとに吐き出します。
うがいをする時間は30秒程度です。最もポピュラーなペーストタイプの歯磨き粉とは、使用方法が異なるため、始めは戸惑う人も多いことでしょう。
2. 液体歯磨きが介護にも役立つ理由
さて、液体歯磨きが介護に役立つ理由についてですが、これはペースタイプの歯磨き粉との違いを考えていくと理解しやすいかと思います。
2-1. 口腔内の隅々にまで有効成分が行き渡る
ペーストタイプの歯磨き粉は、適量を歯ブラシに乗せて、歯をゴシゴシと磨いていきます。ですから、歯磨き粉の有効成分は歯を磨いていく過程で口腔内へと行き渡っていきます。
一方、液体歯磨きは、うがいをした段階で口腔内の隅々まで行き渡らせることができます。これは液体状の利点といえますよね。
介護を必要とする高齢の方は、自分自身の歯を1本1本丁寧に磨くことができないことが多いです。そんな時、液体状である利点を享受できる液体歯磨きは非常に役立つといえます。
2-2. 歯や口腔粘膜を傷つけにくい
液体歯磨きには、ペーストタイプに含まれているような研磨剤や発泡剤などが配合されていないため、歯や口腔粘膜を傷つけにくいといえます。
介護を必要とする高齢の方の口腔粘膜は、加齢や病気によって、外部からの刺激に弱くなっていることが多いです。そこで研磨剤や発泡剤が含まれている歯磨き粉を使ってしまうと、粘膜や歯茎を傷める可能性があります。液体歯磨きであれば、そうした成分が含まれていないため、高齢の方でも安心して歯磨きをすることができます。
2-3. 歯磨き後に口をすすぐ必要がない
ペーストタイプの歯磨き粉でブラッシングをした後は、口をすすぐ人がほとんどかと思いますが、液体歯磨きの場合は、その必要がありません。
歯を磨いた後もそのままにしておくことで、液体歯磨きの有効成分が口腔内に留まり、細菌の繁殖などを抑えてくれます。この点は、介護を必要とする高齢の方にとって非常に重要なポイントといえます。なぜなら、そうした高齢の方は、うがいをすること自体が難しいケースも珍しくないからです。
3. 口腔内細菌がもたらす全身への悪影響について
昨今、介護を必要とする高齢の方の口腔衛生状態に注目が集まっています。高齢の方は、手足の運動が不自由になったり、口腔ケアの意識が低くなったりすることで、口腔内細菌が繁殖しやすい傾向にあります。その結果、口腔内に留まらず、全身へと悪影響が及ぶことがあるのです。
3-1. 感染性心内膜炎との関係
口腔清掃状態が悪いと、歯周病菌のような口腔内細菌が歯周ポケットの中で沢山繁殖するようになります。そうして増えすぎた細菌は、血流に乗って、全身へと運ばれることがあるのです。
血液に乗って運ばれた歯周病菌は、心臓へと行きつき、そこで再び感染を起こすことがあります。その結果発症するのが感染性心内膜炎です。歯周病菌と心臓の病気というのは、一見すると何のつながりもないもののように思えますが、実際は関連があることが確認されています。
3-2. 誤嚥性肺炎との関係
介護を必要とする高齢者に多い病気として、誤嚥性肺炎が挙げられます。実はこの病気の原因にも、口腔内の細菌が関係することがあります。
適切な歯磨きを行わないことで、口腔内に歯周病菌などが繁殖し、それが食物とともに気管へと入ることで肺炎を引き起こすのです。この病気は、寝たきりの高齢者の方に多く発症しています。
4. まとめ
液体歯磨きは、口腔内に行き渡りやすく、うがいをする必要がないため、介護を必要とする高齢の方に最適なケア用品といえます。高齢の方は色々な病気にかかりやすくなっているため、まずは液体歯磨きで口腔衛生状態を向上させていくことが大切といえます。
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