
皆さんは普段、どんな硬さの歯ブラシを使っていますか? 市販されている歯ブラシには、やわらかめ、ふつう、かための3種類が用意されていますが、やはり最もよく使われているのは「ふつう」です。
ただ、歯茎の健康を考えて「やわらかめ」を選んでいる人も意外に多いですが、やわらかめの歯ブラシを使用することで、歯や歯茎に痛みを感じるケースも少なくありません。
ここでは歯ブラシによって、歯や歯茎が痛くなる原因について説明します。
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1.適切な力で歯磨きをすることが大事
1-1.ブラッシング圧
やわらかめの歯ブラシを使って痛いと感じる第一の原因に、歯ブラシを動かす力である「ブラッシング圧」が挙げられます。
ブラッシング圧が強すぎると、当然のことながら歯や歯茎を傷め、痛みを感じることもあります。
力強くゴシゴシと歯を磨けば磨くほど、それだけ歯垢も落とせるように感じますが、実はそうではありません。
特に歯肉というのはデリケートな組織ですので、歯ブラシで強く磨くと傷をつけたり、炎症を起こさせたりする可能性があるのです。
1-2.適切な力とはどれくらい?
適切なブラッシング圧というのは150~200gと言われています。
これは、歯ブラシをペングリップで握り、軽く磨いた時に生じる圧力です。ペングリップとは、文字通り鉛筆の握り方を意味します。
ペングリップで歯ブラシを握ると、強い力で歯磨きするのが難しくなりますので、ゴシゴシと強いブラッシング圧で歯磨きしてしまう方にはお勧めの方法といえます。
ではなぜ、やわらかめの歯ブラシを使うと、ブラッシング圧が高まるのでしょうか。
2.毛先がやわらかいとブラッシング圧が高まる!?
例えば、かための歯ブラシを使った場合をイメージしてみましょう。
歯ブラシの毛先が硬いと、少し力を入れただけで、歯に付着した汚れを簡単に落とせそうなイメージをされると思います。
逆に、やわらかめの歯ブラシだとかなり力を入れなければ、なかなか歯垢が落ちないというイメージをされると思います。
このようなイメージのまま歯磨きを行うことで、前述のとおり、やわらかめの歯ブラシによる強いブラッシング圧で、歯や歯茎をゴシゴシと磨いてしまい、痛みを感じてしまうのです。
3.歯茎に炎症があるとやわらかめの歯ブラシでも痛みが生じる
3-1.すでに炎症を起こしている!?
やわらかめの歯ブラシを使用し、毎日強い力で磨き続けると、歯肉炎や歯周炎などの炎症を引き起こすことがあります。
炎症を起こすと、やわらかめの歯ブラシを使っていたとしても、歯磨きの際に出血や疼痛(とうつう)を引き起こしやすくなります。
もし、やわらかめの歯ブラシを使っていて痛いと感じる人は、まず歯科医にお口の中の状態を診てもらうことをお勧めします。
3-2.炎症を起こしている場合は治療も併せて
歯肉が腫れる歯肉炎や、歯槽骨が溶ける歯周炎などを発症している場合は、やわらかめの歯ブラシでも、歯磨きの度に痛みや出血が生じることが珍しくありません。
歯肉炎、歯周炎は歯周病が元で発症することが多いです。
まずは歯科医院にて歯肉炎、歯周炎、歯周病にかかっているかどうか診てもらい、かかっているのであれば、それらを治療してもらいましょう。
併せて歯肉炎、歯周炎、歯周病を引き起こした原因の一つである、ブラッシング圧の改善することが重要と言えます。
まとめ
やわらかめの歯ブラシを使っていると、ついつい強い力で歯を磨いてしまいがちです。
その結果、歯や歯茎に強い負担がかかり、歯周病を発症するというケースも珍しくはありません。
ですので、やわらかめの歯ブラシを使っていて、歯や歯茎が痛いと感じる人は、まず歯科医院で適切なブラッシング圧を学びましょう。既に歯周病にかかっている場合は、すぐに治療を受ける必要があります。
歯周病は歯茎に炎症を引き起こすだけでなく、歯を支えている歯槽骨を溶かすこともあります。歯磨きの際の痛みや出血は、歯茎が悲鳴をあげているとお考え下さい。
大切なポイントは、やわらかめの歯ブラシが必ずしも悪いのではなく、磨く際の力、歯茎の状態に問題がある可能性もあるということです。
ご自身のどこに問題があるかは、お口の専門家である歯科医師に判断してもらいましょう。
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