虫歯は一度かかると、痛みが生じたり、歯が溶けたりするとても厄介な病気ですよね。
かといって、虫歯にかかってもなかなか歯医者へ行かないケースも珍しくはありません。
そこで気になるのが、虫歯は自然治癒するのかという点です。
ここでは、虫歯は自然治癒するのかどうかや、するとしたらどのくらいの期間で治癒するのか、
また重曹を使えば歯医者に行かずとも虫歯を治すことができるのかについて詳しく解説します。
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1.基本的に虫歯は自然治癒しない
体に生じる異常や病変は、時間が経つとともにある程度自然治癒していきます。
例えば転んで擦りむいた膝にできた傷口は、数分後には出血が止まり、数日も経てば傷口が塞がります。
このように、私たちの体には損傷を受けた組織が自然に治る自然治癒力が備わっているのです。
けれども、歯というのは例外といえます。交通事故などの外傷によって割れた歯は、もう二度と再生することはありません。
虫歯も同じで、虫歯菌によって溶かされた歯質は、再生されることはなく、基本的には自然治癒しないといえます。
ただし、例外もあります。
2.初期の虫歯だけは自然治癒することがある
基本的に虫歯という病気は自然治癒しませんが、例外がひとつあります。
それは初期の虫歯です。
発生してまだ間もない虫歯は、その状態やその後の対処によっては自然に治ることがあります。
初期の虫歯というのは、まだ歯の表面に穴が開いておらず、白い斑点のようなものが生じている状態です。
あるいは黒ずみのような着色が現れている場合もあります。そうした初期の虫歯であれば、例外的に自然治癒することがあるのです。
3.初期の虫歯が自然治癒するメカニズム
虫歯が自然治癒することがあると聞いて驚かれた方もいらっしゃるかと思いますが、さらに知りたいのはそのメカニズムですよね。
初期の虫歯では、歯の表面で歯質の脱灰という現象が起こっています。
これは虫歯菌によって、ほんの少し歯が分解されている状態です。
この時点で虫歯菌の活動を抑制し、脱灰を止めることができれば、虫歯を自然治癒させることも可能なのです。
ちなみに、自然治癒している歯の表面では、脱灰とは逆の再石灰化という現象が起こっています。
4.初期の虫歯が自然治癒する期間
脱灰した歯が再石灰化することを虫歯の自然治癒と言い換えることができます。
では、この虫歯の自然治癒というのは、どのくらいの期間で起こるのでしょう。
4-1.歯の脱灰と再石灰化常に起こっている
実は、歯の脱灰と再石灰化というのは、どんな人でも常に起こっている現象です。
なぜなら私たちは、日頃から酸性度の高い食べものや飲み物を口に含む機会が豊富にあるからです。
これらを口に含んだ時点では、歯の脱灰というものはスタートします。
それでも健康な人であれば、唾液の作用などによって歯の再石灰化が促され、結果的に健全な歯質の状態を保つことができるのです。
つまり、歯の自然治癒力というものは常に発揮されているといえます。
4-2.虫歯が自然治癒する期間は生活習慣によって異なる
虫歯が自然するには、お口の中が酸性に傾かないことが何より大切です。
ですので、酸性度の強い食べものや飲み物を避け、虫歯菌の活動が活発になるような糖質もできるだけ控えることが大切です。
また、当然のことながら毎日の歯磨きをしっかりと行うことも必須です。そのようにして、健全な食生活と適切なオーラルケアを続けることで、虫歯は自然治癒していきます。
ただ、それでも初期の虫歯が自然治癒する期間というのは人それぞれで、数週間で初期の虫歯が自然治癒することもあれば、数ヵ月という長い期間をかけて初期の虫歯が自然治癒することもあります。
5.重曹で虫歯を治すのは難しい
もしかしたら「重曹で虫歯が自然治癒する」という話を聞いたことがあるかもしれませんね。
重曹ならどのご家庭にもありますし、手軽に虫歯が治せそうなので耳よりな情報といえます。けれども実際、重曹で虫歯を治すことは難しいです。
確かに重曹には、頑固な汚れを落としたリ、細菌を殺したりする作用が期待できますが、それでは虫歯は治りません。
ですので、虫歯にかかった際に重曹で治すことはお勧めできません。
6.まとめ
このように、虫歯というのは基本的に自然治癒しませんが、初期の虫歯に限っては自然治癒することがあります。
ですので、全ての虫歯はすぐにでも削らなければならないというわけではないのです。
ただ、重曹を使った治療など、効果があまり期待できな方法をとるくらいであれば、専門家である歯医者に診てもらうことをお勧めします。
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