人の歯は全部で28本あり、多くの人はその全てが10代のうちに生えてきます。
そこに親知らずを加えると合計32本になりますが、親知らずが生えてくるかどうかは、人により異なります。
そんな親知らずはどうして生えてくる人と生えてこない人がいるのか、とても気になることと思います。
ここでは、親知らずが生えない人の特徴や確率に関して説明します。
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1.親知らずが生えない人の特徴とは?
親知らずが生えてくるかどうかは、いろいろな原因が絡み合って決まるため、それを一つに絞ることは難しいです。
そこでいくつか、親知らずが生えない人の特徴についてご紹介します。
その前に「親知らずが生えない」という表現には、二つの意味があることを知っておいて下さい。
一つは、歯茎から生えてきてはいないが、歯茎の中に歯が存在しているケースです。これを専門用語では埋伏歯(まいふくし)と呼んでいます。
もう一つは本当の意味での「親知らずが生えない」ケースです。
1-1.歯茎に埋まっている親知らず
埋伏歯の状態の親知らずは、そのまま一生歯茎の中に存在し続けることもありますので「親知らずが生えない」と表現されることもあります。
おそらく歯科医院でエックス線写真を撮らなければ、患者様だけでなく、歯科医師もその親知らずの存在に気づくことはないでしょう。
1-2.顎が退化している日本人は親知らずが生えにくい
歯茎の中に埋まっているのに生えない親知らずは、顎が小さい人に多いといえます。お口の中にはすでに永久歯が生えていて、歯列を形成しています。
そこへさらに親知らずを追加する余地がない場合は、生えてこようとしても歯茎の外へ顔を出すことができなくなるのです。
それでも無理に生えてこようすると、親知らずは周りの歯を溶かしたり、歯茎に炎症を起こす原因となることがあります。
その結果、痛みが生じて、歯科医院で親知らずを抜歯してもらうというケースも珍しくはありません。
このように顎が小さいことによって、親知らずが歯茎から生えないという状態は、現代人に多く、とりわけ日本人には顕著であるといえます。現代人は硬いものより軟らかいものを好んで食べるようになりましたので、下顎の発達が抑制される傾向が見られます。
その結果、下顎が小さくなり、親知らずが生えないケースが増えてきたのです。
1-3.本当の意味で親知らずが生えないケース
本当の意味での「親知らずが生えない」は、エックス線撮影をしても、奥歯の歯茎に親知らずが白く写ることもありません。そこにはただ顎の骨があるだけです。
このケースは、遺伝によるところが大きいです。といっても、両親とも親知らずが生えていなければ、その子供も生えてこないというわけではありません。
歯というのは、歯胚(しはい)と呼ばれる歯の原型が発生するところから始まります。
親知らずが全く生えない人というのは、この原型すら発生していませんので、それはその人自身の遺伝子に原因があるといえます。
ただし、親知らず自体がもともと必要ではないことが多いので、これを病気と診断されることはまずありません。
2.日本人で、親知らずが生えない確率はどのぐらいか?
日本人には親知らずが生えない人が多いですが、その確率はいったいどのくらいなのでしょうか。
2-1.親知らずが生えない確率を調べるのは難しい
日本人における親知らずが生えない割合、あるいは確率を調べた目ぼしい研究は今のところありません。
ですから、親知らずが生えない確率の統計データも、公的な研究機関などは出していません。
そもそも親知らずというのは、生えてくる時期も人それぞれで大きく異なりますし、横向きに生えてきたり、斜めに生えてきたりと、生えてくる状態も異なります。
そうして炎症などを引き起こした親知らずは抜歯することも多いため、時間やお金をかけて、長く研究していくのも大変であるからです。
そういったことから、日本人にはどのくらいの確率で親知らずが生えない、あるいは生えるということを明言することは難しいといえます。
ですので、ご自身に親知らずが生えるか生えないかが気になる方は、まず歯科医院で受診されることをお勧めします。
何かの治療の際でも良いので、エックス線撮影をした時に親知らずが生えないかどうかについて聞いてみるのも良いかもしれません。
まとめ
親知らずはお口の中で悪影響を及ぼす傾向が強い歯です。それだけに、できれば生えてこないで欲しいとお考えの方も多いかもしれません。
親知らずが生えてくるかどうかは、患者様一人一人によって異なってきますので、正確な情報を得たいのであれば主治医に聞くのが適切といえます。
優秀な歯科医師であれば、これから親知らずが生えてくるかどうか、今後どのような悪影響を及ぼすかについても予測し、説明してくれると思います。
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