前歯のインプラントの難易度・成功率とは?

前歯のインプラントの難易度・成功率とは?
前歯のインプラントの難易度・成功率とは?

インプラントは歯の種類を問わず、実施できる治療法ですが、歯の種類により難易度が異なります。
また、患者様の年齢、歯並び、虫歯、歯周病等の有無による歯の状態によっても変わってきます。

インプラントは手術を伴う治療法ですので、相応の知識、技術が必要になります。

ここでは、前歯に焦点を絞り、難易度、成功率について説明します。

スポンサーリンク

1.前歯のインプラント治療は他の歯の場合と違って難易度はどう変わるのでしょうか?

1-1.前歯の定義

まず、歯科では歯を口の中心から横に数えていきますが、上下左右の中心から3番目までの歯を「前歯」と定義しています。

3番目の歯は犬歯(八重歯)と言われている歯なので分かりやすいかもしれません。

1-2.歯科医療としての前歯のインプラントの難易度

インプラントを埋入する時に最も問題になるのが、下顎の中にある「下歯槽神経」と呼ばれる大きな神経の損傷です。
幸いなことに、この神経は下の前歯の方までは伸びていないので、下の前歯にインプラントを埋入する時は問題になりません。

下歯槽神経の次に問題となるのが、上顎の中に位置している、上顎洞と呼ばれる部位になります。
この空洞に関しても上顎の4番目から7番目までのあたりに位置している場合が多く、前歯にインプラントを埋入する場合には問題になりません。

前歯は奥歯と比較して、見やすく道具も入りやすいので、治療がやりやすい箇所と言えるでしょう。

歯科医療としては、前歯のインプラントは容易に見えますが、後述する別の面では難しい点がいくつかあります。

1-3.審美治療としての前歯のインプラントの難易度

前歯の治療で重要な要素の一つに審美面が挙げられます。

前歯は口を開けたらすぐに見える部分ですので、細かい部分までのこだわりが必要とされます。

例えば、上の前歯1本のインプラントを埋入する場合、最終的な被せ物(人工歯)の色が、ご自身の歯と調和していないと、変に人工的に見えて、見た目が不自然になります。

また、形も元の天然の歯と細かい部分まで似ていないと、左右のシンメトリーが不自然になったりします。

歯が抜けると基本的に顎の骨が徐々に吸収され、それにともない歯肉の高さも下がってきます。
歯肉が下がった状態でインプラントを入れ、人工歯をいれると、歯肉の高さが不揃いで見た目があまりよろしくありません。

インプラントを入れるところは、歯がない所ですので、下がった歯肉を元に戻したり、インプラントを入れた後も歯肉が下がってこないよう工夫する事が歯科医師に求められます。

具体例として、いくつかご紹介します。

  • 吸収された骨を再生して下がった歯肉を元の位置まで戻す手術
  • 歯肉の厚みを増やす手術をして歯肉が下がってくることを予防
  • 上唇小帯とよばれる上唇と歯肉を結んでいるひだを切って歯肉の退縮を予防

上述の処置はとても繊細で、高い習熟した技量が歯科医師側に求められます。
インプラント治療を受ける前に、ご自身がどこまで審美面を求めるのか、お互いにしっかり理解し合えるまで、主治医との相談が必要になるでしょう。

1-4.歯並びが悪い場合は要注意

また元々歯並びが悪く前歯が飛び出しているように生えていたり、逆に引っ込んでいたりするような場合、元々の歯並びに合わせてインプラントを埋入すること自体が難しいですし、インプラントを埋入しても、予測できない力がインプラントに加わったりして予後が不良になる場合があります。

1-5.犬歯のインプラント

前から3番目の歯である犬歯(八重歯)は、顎の側方への運動を誘導する歯なので、インプラントをこの犬歯の位置に入れる時も注意が必要です。なぜなら、インプラントは縦方向の噛む力には強いのですが、横方向の力には弱いという特徴があるためです。

1-6.インプラント周囲炎

前歯のインプラントは奥歯のインプラントに比べ、インプラント周囲炎になりやすい傾向が見られます。
これは、インプラントを埋入する骨の高さと幅に関係していると言われています。

インプラントの埋入には、十分な高さの骨と同時に、十分な幅の骨が必要になります。

前歯の顎の骨は奥歯に比べて元々幅が小さいので、インプラントを埋入する時も十分な骨がインプラントの周囲に確保できない場合があり、その時に骨を作る処置などで対応していないと、インプラントを埋入した後も、インプラント周囲に炎症が起きやすくなってしまうのです。

インプラント周囲炎は進行すると膿が排出されてきます。この状態まで行ってしまうと、いくらきちんとインプラントが入っているといっても、成功していると言うのは難しいでしょう。

2.インプラントの成功率はどのぐらいでしょうか?

インプラントの成功率については90%以上と言われています。

ただ、この成功率の判断基準は、インプラントが骨と結合しているかどうかという事を基準にしているため、この成功率の中には、審美面で患者様が納得していない、インプラント周囲炎が起こっているケースも含まれています。

特に、審美面は患者様の主観によるところが大きいですので、審美面とインプラント周囲炎を除いた、インプラントの成功率は数値で答えるのは難しいと言えるでしょう。

上述で前歯は審美面を重視すると説明しましたので、前歯のインプラントの成功率も先ほどと同様、数値で答えるのは難しいと言えるでしょう。

まとめ

満足がいくインプラント治療を受けられるかどうかは、担当の歯科医師の知識と技量、患者様との術前の相談の密度、患者様の十分な治療に対する協力にかかっていると言えるでしょう。

インプラントの成功率については90%以上と言われていますが、これは審美面、インプラント周囲炎を考慮した確率ではありませんので注意して下さい。

単純に成功確率だけにとらわれず、治療を受ける前に、信頼のできる歯科医師と納得のいくまで話し合いをして治療を進めていく事をお勧めします。

インプラント治療は一度埋入して、不具合がでてしまうと、その後のリカバリーがとても困難な治療です。インプラント治療に焦りは絶対に禁物です。

ハーツデンタルクリニック医療法人社団

投稿者プロフィール

ハーツデンタルクリニックは、皆さまに寄り添い、皆さまの立場で考え、実行する歯科医院を実現するべく設立しました。皆さまが生涯を通して「食事を楽しみ」「周囲を気にせず笑い」「人生を幸せに暮らすことができるよう」努めております。

■医療法人社団ハーツデンタルクリニック
2010年より千葉県、埼玉県にて開院。
千葉県2医院、埼玉県に1医院を展開。
2010年9月:ハーツデンタルクリニック1号店 西白井にて白井店開院
2014年7月:ハーツデンタルクリニック八千代中央開院 (医療法人社団ハーツデンタルクリニックの分院として開院)
2014年9月:ハーツデンタルクリニック谷塚開院 (医療法人社団ハーツデンタルクリニックの分院として開院)

■院長情報
白井店  院長 永橋克史(ながはしかつし)
もっと「ありがとう」を集めたい。きれいな白い歯が輝く笑顔を見るのは、いいものですよね。歯が健康な人は、イキイキ生きているように見えるもの。人や動物が健康に生きるためには、歯が健康であることが重要です。歯の表面的な治療ではなく、ゲストに満足して帰っていただくために。ゲストから「ありがとう」と言っていただけるように。私たちは、ハーツデンタルクリニックは、コミュニケーションを大切にした診療を心がけています。歯のお悩みやご相談のある方は、是非お気軽にご来院ください。

経歴
1981年城西歯科大学{現 明海大学}卒業
1982年高知県の塩田歯科に勤務。口腔外科を習得。
1985年大阪の芦田歯科に勤務。 歯周外科及び自由診療を学ぶ。
1990年パレットデンタルクリニック(茨城県)に勤務。
2010年ハーツデンタルクリニック開業。
主な研修
1996年スカンジナビアペリオ(歯周病)の権威である岡本浩先生の講習会を受講。
1997年21世紀の咬合医学の川村秋夫先生の講習会に2年間受講。
2000年厚生省認可社団法人日本歯科先端技術研究所にてインプラント100時間コースを受講。
2001年国際歯周病内科学の会員取得。
2006年日本歯科鍼灸教育会より、歯科鍼灸師証を授与。

「痛みや不快な思いで苦しんでいる人を楽にしてあげたい!」「お口のコンプレックスをなくしてあげたい!」そのように考えて日々治療技術の研鑽に取り組んでいます。

院長 緒方 靖(おがた やすし)私やスタッフの治療や対応で患者さんから「ありがとう!」と言われた時に、“人の人生に寄り添える”歯科医師という職業につけて本当に幸せだと感じます。

笑顔で健康であることの幸せは、失ってからはじめて気づくものです。
正しいオーラル習慣を身に付けることが健康の根源であることを地域の皆さまに普及し、

「一生涯、自分の歯で美味しいものを美味しく食べることのできる人生」
「コンプレックスなく自分らしく生きる」

ためのお手伝いをすることが私の役割だと考えています。一人ひとりが患者さんに対して“一番大切な家族として”心から寄り添う気持ち持ちながら診療・サービスに取り組んでまいります。

院長 緒方 靖(おがた やすし)
経歴 1980年3月 日本大学松戸歯学部 卒業
1980年4月 日本大学松戸歯学部 補綴学第一講座 入室
1983年6月 アイデンタルクリニック 非常勤 入職
1985年4月 アイデンタルクリニック 管理開設者に就任
2014年11月 ほたる野歯科第2クリニック 入職
2015年4月 医療法人社団ハーツデンタルクリニック 非常勤 入職
2017年7月 ハーツデンタルクリニック八千代中央 管理者就任

院長:林恒彦(はやし つねひこ)
岐阜歯科大学卒業
大学病院で歯周病治療を専門に診療。
関西を中心に勤務医として経験を重ねる。
開業後、明海大学で博士号を取得するなど研鑽を継続。

ハーツデンタルクリニック設立趣旨 日本の歯科医療をより広く愛される医療へと発展させることによ り、国民の心身の健全性を高めるとともに、我が国の国際社会に おける知の向上に寄与します。 ⇒「歯科医院を元気に!」「日本を元気に!」私達ハーツデンタルクリニックが所在する地域には、たくさんの ゲストが存在します。その中で、ゲストはわざわざ当院を選んで くれたのです。 ゲストが当院を選ぶ際には、様々な葛藤や不安があったはずです。 「今まで通っていた歯医者のほうがいいかなあ・・・」、 「そもそも歯医者に行くのは嫌だなあ・・・」、
そんな中で勇気を振り絞って来院してくれたのです。 そんなゲスト一人ひとりが、 「ハーツデンタルクリニックを選んで良かった。私の選択は間違 いなかった」と、また次もハーツデンタルクリニックにしようと 思える、歯科医療サービスを提供していく、それがハーツメン バーの使命です! ⇒病気での来院ではなく、より美しく。健康になりたいという意識の高いゲストが集まる歯科医院づくりをすすめています。

スポンサーリンク

他にこんな記事も読まれています

地域別おすすめ歯医者

北海道・東北
関東
甲信越
北陸
  • 富山
  • 石川
  • 福井
東海
関西
中国
四国
九州・沖縄
  • 福岡
  • 佐賀
  • 長崎
  • 大分
  • 熊本
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 沖縄

ピックアップ記事

  1. 「草加せんべい」が有名な草加市は、東京都足立区に隣接し、埼玉県内でも有数の人口により特例市に制定…
  2. 八千代市のおすすめ歯医者5選
    住宅団地発祥の地でもある千葉県八千代市は、県内でも7番目の人口を有する市です。市内には東葉高速鉄道、…
  3. 印旛地域の中でも最も東京寄りにある千葉県白井市は、都内へ通勤する人も多くいます。その反面、梨の栽…

SSL対応



ページ上部へ戻る