ブラッシングなどのオーラルケアを怠ると、口臭が発生するのは当然ですよね。
お口の中に食べかすが残ったり、口腔内細菌が繁殖したりして悪臭を放つようになるからです。
では、断食や無理なダイエットが原因で口臭が発生するメカニズムというのは一体どういうものなのでしょうか。
ここでは、断食や極度のダイエットで栄養不足となり、口臭が発生する仕組みについて詳しく解説します。
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1.食事を摂らないと唾液分泌が減少する
断食や無理な食事制限をすると、唾液の分泌が減少していきます。
断食や食事制限中は、ものを噛む機会が減るため、唾液の分泌が減少しても仕方がないといえます。
そして唾液分泌が減少すると、口腔内が乾燥していきますので、これが口臭の原因となります。
例えばドライマウスの人というのは、口臭が強くなる傾向にあります。
これは口腔内が乾燥することで細菌の繁殖が促され、食べかすやプラークなどの発酵が進んでいくことで起こります。
2.基礎代謝が下がってアンモニア臭が生じる
ダイエットが原因で口臭が発生するメカニズムには、基礎代謝の低下が関係しています。
通常の食事では糖質を含め、基礎代謝を維持していくために必要な栄養素を十分に摂取できていますが、ダイエットや断食となると明らかに栄養不足となります。
すると体は、基礎代謝を下げることで対応しようとするのです。
基礎代謝が下がると、体の機能も相対的に低下し、乳酸がたまりやすい状態になります。
ここで生じるのがアンモニアです。乳酸から生じるアンモニアは一種の老廃物であり、文字通りアンモニア臭がします。
これが呼吸によって口から排出されることで口臭が生じるのです。
3.極度のダイエットでケトン臭が生じる
ダイエットも断食に近くなってくると、栄養状態もさらに悪化します。
それでも体は栄養やエネルギーを必要としますので、今現在、体内に存在している脂肪を燃やすようになります。
このこと自体はダイエットにとって、とても良い流れなのですが、口臭という観点からはあまり良くはありません。
なぜなら、エネルギーの酸性を脂肪の燃焼ばかりに頼ると、その過程でケトン体と呼ばれる物質が多量に発生します。
このケトン体は甘酸っぱい臭いをしており、ダイエット臭としても有名です。そしてこのケトン臭が呼吸によって排出されることで、口臭も発生するのです。
4.ダイエットによる口臭を予防する方法
ダイエットというのは、体重を減らすという目的があって行うものですから、口臭の原因になるからといってすぐにやめられるものでもありませんよね。
そこでダイエットをしながら口臭を予防する有効な方法について紹介します。
4-1.口呼吸から鼻呼吸へ移行する
ダイエットによって食事を制限すると、自ずと唾液分泌が減少してしまいます。
その結果、口腔内が乾燥して口臭を発生させることがありますので、できるだけ口腔乾燥が起こらないよう心がけましょう。
普段から口呼吸を行っている人は、意識して鼻呼吸を行うようにしてください。
鼻呼吸を行っていれば、口腔乾燥を防ぐだけでなく、風邪などの感染症にもかかりにくくなるため有益といえます。
4-2.ガムを噛んで唾液の分泌を促進する
私たちの口は、ものを噛んだ時に唾液が分泌されるようにできています。
ですので、食物を咀嚼している際には沢山の唾液が分泌され、食物の分解や嚥下を助けてくれているのです。
それはガムを噛んだ時も同じです。ガムを噛んでいると、唾液腺から多量の唾液が分泌され口腔乾燥を防ぐことができます。
その際、キシリトール入りのガムを噛むことで、虫歯予防にも役立てることができます。
4-3.極度のダイエットや断食は避ける
断食などの極端なダイエットに走ると、アンモニア臭やケトン臭などの口臭の原因となっていきます。
これらの臭いは口腔の乾燥を守るだけでは回避できません。
また、そうしたダイエットは栄養失調にもつながることがありますので、あまりお勧めできません。
ですから、ダイエットや断食による口臭を防ぐという意味でも、食事制限はほどほどに抑えることが望ましいといえます。
5.まとめ
断食や無理なダイエットを行うと、通常の口臭だけでなく、アンモニア臭やケトン臭といった特殊な臭いが生じるようになります。
これらが生じるメカニズムを理解した上で、ダイエットのやりすぎには注意する必要があります。
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