「親知らず」というと、トラブルの原因となる歯のイメージが強いのではないでしょうか?確かに正常にまっすぐ生えてくることは少なく、生え方によっては抜歯しなければならないこともあります。
歯みがきをしていて鏡を見た時に、親知らずが、なんだか横向きに生えているのを発見、もしくは歯科を受診した際に教えてもらって初めて気づくと言う人もおられるかと思います。
そんな横向きに生えてきた親知らずは、そのまま温存(放置)していても大丈夫なのでしょうか?
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そもそも「親知らず」とは?
「気づいたら生えていた」という人が多いのが親知らずの特徴かもしれません。それは、親知らずが生える時期に関係があります。
親知らずは18歳~20歳頃に生えてきます。他の歯が大抵小学生のころまでに大人の歯に生え揃うことを考えると、生えてくる時期がずいぶん遅いことがわかります。
そこで、名前も親が知らない頃に生えてくることから由来されているようです。
生えることに問題のある歯なの?
すべての親知らずが、生えたら必ず腫れや痛みが起こる歯という訳ではありません。
隣の歯と並んで正常にまっすぐ生え、噛み合わせや歯磨きすることに何も問題が無ければ、そのままにしていて大丈夫です。生え方に問題がある場合は、治療や抜歯が必要になることもあります。
親知らずを温存(放置)しておけない場合
親知らずの生え方に問題があり、親知らずを温存することができない場合もあります。
例えば、横向きや斜めに生えてきてしまった場合が挙げられます。
手前の歯とぶつかったり、歯の一部だけが歯ぐきから露出している場合などです。
また、上下のかみ合わせが機能していない場合や歯茎の中で横を向いたまま、手前の歯を押してしまうような場合も挙げられます。
横向きに生えてしまった親知らずによるトラブルとは?
- 虫歯や歯肉炎
- 頭痛や腰痛
- 歯並びの変化
- 細菌感染
横向きや斜めに生えていると、親知らずと隣接している手前の歯との接触部の歯みがきが難しい傾向にあります。そこに食べカスや歯垢が残留しやすく、歯肉炎や虫歯になりやすくなります。
他にも、歯垢などの出す酸によって、口臭の原因にもつながります。
上下のかみ合わせが合わない場合が多く、それにより頭痛や肩こりなどの体のバランスを崩してしまう症状が現れる人もいます。
手前の歯を押しながら生えることで、前歯の方向へ力が加わり、歯並びが悪くなることもあります。
歯ぐきの炎症が重症化することにより、炎症が顎の骨の周囲や筋肉にまで細菌感染し、血液を介して心臓にまで行きわたってしまうと、命の危険にさらされてしまう恐れもあります。
横向きの親知らずは、痛くなるまで待ってもいいの?
背の高さが低いと、一番奥の歯で隠れて見にくく、生えてきていることに気づかないこともあるかもしれません。そこで、痛みが起こってからよく見てみると生えていた!なんてことも。
歯ぐきの腫れや痛みが無い場合でも、横向きに生えている親知らずに気づいたら、早めに歯科医院を受診することをお勧めします。
歯肉炎も虫歯も最初は痛みがないので、痛みや出血があり気づいたころには、すでにかなり歯周病や虫歯の症状が進行していた!ということもあるからです。
親知らずで歯科を受診するタイミングは?
高校を卒業したら歯も健康診断を!
親知らずの生える時期は18歳~20歳ごろ。
ちょうど進路を考えたり、就活などの人生の岐路と言われる時期です。
また、歯肉炎などのお口のトラブルは20代~40代が最も増加する時期。社会人になると、なかなか歯科に罹る時間を作るのが難しくなります。その前に健康診断のひとつとして歯科検診も受けるとよいと思います。
結婚、出産を考えている女性は事前に!
妊娠中は「妊娠性歯肉炎」になりやすく、お口の環境も悪くなりがちです。また、出産を経て歯がもろくなる方もいます。
妊娠中に歯の状態を診るためのレントゲンや、出血を伴う抜歯はできるだけ避けたいもの。また、子育てが始まると忙しく歯科に行けないことも多いでしょう。
もし、腫れや痛みなどの症状が無くても、横向きに生えている親知らずがあるとわかっている場合、いつでも妊娠できる可能性がある状況になったら、歯科医院で検診を受けることをお勧めします。
まとめ
親知らずはさまざまなトラブルを引き起こします。自己判断での放置は危険です。
まずは歯科を受診して、生え方の状況を診てもらいましょう。
トラブルになる前に、温存できるのか、治療が必要なのか、最終的には抜歯になるのかなど治療方針を相談することが安心につながります!
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