私たちの歯には、乳歯と永久歯の2種類に大きく分けることができます。
乳歯は乳幼児に生えてくる歯で、その後に生えてくる歯を永久歯と呼んでいます。
お子様の将来を考えたら、やはり乳歯の段階でしっかりと虫歯予防を行うことが大切といえます。
ここでは2歳児や3歳児といった乳幼児の虫歯予防の効果的な方法を説明します。
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1.乳幼児(乳歯)の虫歯の特徴
皆様は永久歯よりも乳歯の方が虫歯になりやすいことをご存知でしょうか。
乳歯の方が虫歯になりやすいのは、乳歯と永久歯の構造が少し異なるためです。
1-1.乳歯と永久歯の違い
乳幼児の虫歯予防を考える上で、乳歯と永久歯の違いを知っておくことは重要です。
乳歯は、永久歯よりもエナメル質が薄いため、外部からの刺激に弱い特徴を持っています。
ですから、かたい食べ物で歯が傷ついたり、酸性の強い飲食物を口に入れることで歯が溶けやすくなったりすることがあるのです。
また、乳歯は永久歯よりも複雑な形をしているため、食べカスなどがたまりやすくなっています。
そのため、皆様が普段行っている磨き方では、磨き残しが出る可能性が高く、結果として虫歯を発症しやすくなるのです。
1-2.乳歯の虫歯の進行は早い
上述のとおり、乳歯はエナメル質が薄いので、一度虫歯にかかってしまうと、あっという間に虫歯が進行してしまいます。
歯科医院に診てもらう頃には、乳歯の虫歯がかなり進行しているというケースも珍しくはありません。
それだけに、2歳児や3歳児といった乳幼児の虫歯予防は非常に重要といえるのです。
2.乳幼児の効果的な虫歯予防法
乳幼児の虫歯を効果的に予防するには、いくつのポイントがあります。2歳児と3歳児でもそのポイントは異なりますので、それぞれ個別に解説します。
2-1.2歳児は人生で一番虫歯にかかりやすい時期
2歳児の虫歯予防を考える上で絶対に知っておいて欲しい事があります。
それは「感染の窓」と呼ばれるもので、生後1歳半から2歳半くらいまでの間に、乳幼児は非常に虫歯にかかりやすくなるというものです。
この時期は乳歯が生え揃う前で、歯によっては半分埋まっていたり、まばらに生えていたりして、口の中が中途半端な状態になっています。
また、2歳児の免疫システムはまだ完全とは言えませんので、細菌に対する抵抗力も成人と比べると低くなっています。
こういった理由から、感染の窓にあたる時期は、それ以降よりも虫歯にかかるリスクが高くなっているといえるのです。
逆にいうと、2歳児の時期にしっかりと虫歯予防を行えば、それ以降は虫歯にかかるリスクが急速に減少します。
それだけに、2歳児の虫歯予防は最も真剣に取り組む必要があります。
2-2.2歳児の虫歯予防のポイント
2歳児の虫歯予防で大切となるのは、やはり毎日の歯磨きです。
この頃には既にお子様自身が歯磨きをする練習を始めているかもしれませんが、どうしても完璧にブラッシングすることは困難です。
ですので、お母様による仕上げ磨きが欠かせません。
それから、フッ素が配合された歯磨き粉を使ったり、歯科医院でフッ素塗布という処置を受けたりすることも、2歳児の虫歯予防には効果的です。
そして2歳児の虫歯予防で最も重要といえるのが、ミュータンス菌の母子感染をいかに回避するかという点です。
2歳児のお子様は、多くのケースでお母様からミュータンス菌(虫歯菌)が感染する可能性があります。
具体例を挙げると、食べ物を口移しで与えたり、キスなどをしたりすることで2歳児が母から子へ移っていくのです。
ですから、この時期だけでもキスなどのスキンシップを控えるだけで、2歳児への虫歯菌感染を抑えることが可能となるのです。
2-3.3歳児の虫歯予防のポイント
3歳になると、乳歯がほぼ生えそろいますので、3歳児時よりも歯磨きがしやすくなっていることかと思います。
ただ、歯が生えそろっている分、歯と歯の間などに磨き残しができやすくなります。
必要であれば、この時期もお母様による仕上げ磨きを行うほうが虫歯にかかるリスクを軽減できます。
また、乳歯がきちんと生えた状態であれば、歯科医院で「シーラント」といった特別な虫歯処置を受けることもできます。
シーラントとは、食べカスやプラークなどがたまりやすい歯の溝をプラスチックで埋める処置です。
シーラントを行えば磨き残しがなくなりますし、3歳児の虫歯予防には非常に効果的といえます。
まとめ
上述のとおり、2歳児と3歳児では、虫歯の予防方法が少し異なります。
乳幼児にとって、その時期その時期で最適な虫歯予防を実践することが何より重要です。
2歳児と3歳児の頃にしっかりとした虫歯予防をしてあげられれば、その後の人生でも虫歯にかかりにくい健康な歯を手に入れることができるでしょう。
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