「歯磨き」の効果は虫歯予防だけではありません。歯周病対策にも大きな効果を発揮します。
なぜ歯磨きが歯周病対策に有効なのでしょうか?
また、歯周病予防に有効な歯磨きの回数、時間(タイミング)はあるのでしょうか?
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歯周病はなぜ起こるのか
「歯周病」とは、歯肉炎や歯周炎など総称。歯の周りの組織である歯ぐきや、歯を支えている骨などの組織に炎症が起こる病気のことをいいます。
誤った歯みがきを続けていると歯と歯ぐきの境目に、歯垢(プラーク)が付着したままの状態が続きます。
その刺激で、歯ぐきが炎症を起こし腫れてしまいます。これが歯肉炎です。
放っておいたら出血も
炎症がさらに悪化し、歯と歯ぐきの隙間である「歯周ポケット」が腫れて深くなり、さらに歯垢が溜まりやすくなります。炎症が悪化すると、歯磨きの際に出血するようになります。
そして時間の経過とともに細菌が出す毒素によって分解され、口臭も発生。
歯を支えている骨や繊維などの組織が破壊され、支えを失った歯は最終的には抜け落ちてしまうこともあるのです。
歯周病に一番効果的なのは「正しい歯磨き法」
歯周病は歯の汚れである「歯垢」が一番の原因であることがお解りいただけたと思います。
歯垢を取り除くために一番有効なのは「毎日の丁寧な歯磨き」です。
歯磨きが歯周病対策に有効な理由は?
歯垢は「生きた細菌の塊」。歯と同じ乳白色をしていて目立たず、一見汚れていないように見えます。
水に溶けにくく、うがいぐらいでは取り除くことができません。
また、歯肉炎の歯ぐきに歯ブラシを当てることにより、腫れて汚れが溜まりやすくなってしまった歯周ポケットを引き締め、炎症の拡大を防ぎます。
そして、歯垢や歯石が原因となる口臭を改善することにもつながります。
歯周病に有効な歯磨きの回数、時間(タイミング)は?
歯周病の予防と進行抑制のどちらにも、歯磨きが有効的だということがお解りいただけたと思います。そこで歯周病に有効な歯磨きの回数や時間をご紹介します。歯磨きは回数よりも「質」
「1日3回歯磨きしているのに、なぜか歯周病になってしまった」という人はいないでしょうか?
お口の中の歯垢の量を減らすことを「プラークコントロール」といいます。
このことは、たくさん歯磨きすれば良いという訳ではなく、歯磨きの「質」の向上が重要ポイントです。
- 歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先がきちんと当たるようにして磨きましょう。
- 歯ブラシにかける力は150~200gと軽度な力で歯ぐきを傷付けない程度で。
- 毛先を小刻みに動かし、1本ずつ丁寧に磨いていきます。
- 毛先は歯と歯茎の境目に45度の角度で当てることで歯周ポケットの清掃ができます。
- 歯並びの悪い部分は凹んだ部分にブラシを縦にするなど工夫して当てます。
- 生えかけの歯など、背の低い歯は、ブラシを横の角度から入れるなど工夫します。
- 歯と歯の隙間は歯ブラシの毛先が届かないのでデンタルフロスを併用すると効果的です。
回数を意識するよりも、苦手な部分を把握し、自分のお口に合った質の高い歯磨きをすることが大切です。
歯磨きするベストタイミングは「夜寝る前」
歯磨きは、朝・昼・晩に3回というのが基本というのは周知されています。
ただ、仕事や学校の関係で、昼は磨けなかったり、時間をかけてゆっくり…という訳にはいかない人も多いでしょう。
一番よいタイミングは「夜寝る前の歯磨き」です。人間の唾液には「自浄作用」があります。睡眠中は唾液の分泌量が極端に減少し、細菌が繁殖しやすい時間帯です。
寝る前までにしっかり歯磨きしましょう!
朝や昼にゆっくり磨けない人も、「1日の汚れは寝る前までに落とす」を心掛けることで、歯周病はもちろん、虫歯予防にも繋がります。
歯みがき粉やキシリトールガム、デンタルリンスは有効?
歯みがき粉には歯磨きの補助や歯の質に有効な成分が含まれていますが、歯周病に効果のある成分などはありません。
また、歯みがき粉は付けすぎると泡が立ちすぎてしまいます。磨きたい部分が見え辛くなってしまったり、長時間磨けないので汚れを残してしまう可能性があります。
歯みがき粉は歯ブラシの先端にほんの少し(歯ブラシの1/4位)付けることをおすすめします。
また同様に、キシリトールガムやデンタルリンスは、歯垢を落す効果はありません。あくまでも「補助」の要素として考えましょう。
まとめ
歯周病は不十分な歯磨きによる磨き残しの「歯垢」が原因で発症します。
歯周病対策に重要なポイントは
- 自分のお口に合った「質の良い歯磨き」を行い、歯垢を残さないようにすること
- 毎日寝るまでにしっかり歯磨きし、1日の汚れを持ち越さないこと
自己流ではクセもあり、なかなかうまくいかないことも。そして進行してしまった歯周病は歯磨きだけでは治療できません。
歯科医院では正しいブラッシング法や個人に合ったポイントなどを指導してもらえます。定期検査を受け、管理・指導してもらいましょう。
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