妊娠や出産のトラブルとして、低体重児や早産という問題が挙げられます。
どちらも母体や赤ちゃんに様々な悪影響が懸念されるものですので、妊婦の方は気になる点かと思います。
ここでは、そんな低体重児や早産について、主な原因や歯周病との関わりなどを解説していきます。
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1.低体重児が生まれる主な原因
1-1.低体重とは
低体重児とは、お母さんのお腹から生まれた時点で、2500g未満の赤ちゃんを指します。
健常な赤ちゃんよりも体重が低いということは、発育に問題があるため、あまり好ましい状態ではありません。
1-2.高血圧で栄養が行き届きにくくなる
妊娠中、お母さんはへその緒を通して赤ちゃんへと栄養を与えています。
へその緒には血管が通っており、血液を介して赤ちゃんへと栄養が流れ込んでいくのです。
この時、お母さんの血圧が高かったらどうなるでしょうか。
血圧が高いと、血管を通る血液量が制限されますので、へその緒から流れ込む栄養素も減少します。
その結果、赤ちゃんは栄養不良状態となり、低体重を引き起こすのです。
ちなみに、妊娠中は母体が高血圧になりやすい状態ですので、もともと高血圧のお母さんは要注意といえます。
1-3.喫煙や飲酒で血管が収縮する
タバコを吸ったり、お酒を飲んだりすると、私たちの血管は収縮します。
血管が収縮すると、血流量が減少するため、全身に行き渡る栄養素も減ってしまうのです。
つまり、喫煙や飲酒は、高血圧と同じメカニズムで低体重児を引き起こす原因となるのです。
そのため、妊娠中の喫煙や飲酒は控えるよう、医師から強く助言されるのが一般的です。
1-4.ダイエットで母子ともに栄養が不足する
当然のことですが、ダイエットをすると摂取する食事量だけでなく、栄養素の絶対量も不足します。
ダイエット中に体調を崩しやすくなるのは、栄養不足が原因であることも珍しくはありません。
そして、妊娠中にダイエットを行うと、その悪影響がお母さんだけでなく赤ちゃんにも及ぶことは容易に想像できるかと思います。
妊娠中のダイエットは、低体重児の主な原因となりますので注意が必要です。
2.早産の主な原因
早産の主な原因には、子宮筋腫や子宮頚管無力症などの病気が挙げられます。これらは子宮の出口を開きやすくするため、早産の原因となります。
その他、早産の原因としては、妊娠高血圧症や胎盤の位置が子宮口付近にある前置胎盤などが挙げられます。
そして早産は、低体重児の原因ともなります
3.低体重児の意外な原因
さて、ここまで低体重児と早産の主な原因について詳しく解説してきましたが、実は昨今、意外な原因で、低体重児や早産が増えていることがわかってきました。
それは、歯周病です。
3-1.歯周病菌が膣や子宮に炎症を引き起こす
歯周病は、歯茎や歯槽骨などの組織に炎症を引き起こす病気です。
根本的な原因は、歯周病菌に感染することで、その症状は口腔内に限定されています。
ただそれが、血管を介して母体の膣や子宮にまで感染が広がることがあります。
その結果、赤ちゃんを取り巻く環境に炎症が生じ、へその緒を介した栄養供給が妨げられ、低体重児の原因となることがあるのです。
3-2.子宮が収縮して早産を促す
歯周病菌が子宮や膣へと広がり、炎症が引き起こされると、子宮収縮が生じます。
子宮が収縮した結果、切迫早産が起こり、低体重の状態で赤ちゃんが生まれてしまうのです。
4.歯周病は低体重児早産のリスクを7倍にする
上述したように、歯周病は低体重児や早産の原因となります。そのリスクは7倍ともいわれています。
妊娠中はもともと歯周病にかかりやすい状態にありますので、胎児への影響を考えると十分な対策が必要といえます。
5.まとめ
昨今、低体重児や早産が増加傾向にありますが、その一因に歯周病という病気が考えられます。
それだけに、これから妊娠、出産を予定している人や、今現在妊娠している人は、歯周病予防に努めることを強くお勧めします。
たかが歯周病と考えず、場合によっては早産や耐体重児という重大なトラブルを引き起こす原因となることを頭に入れておいてください。
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