巷で歯周病に有効とされるものとして、「塩」「ヨーグルト」「なた豆」での歯磨きで効果があると言われています。
しかし、これらは本当に効果のあるのか疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、「塩」「ヨーグルト」「なた豆」での歯磨きでの効果の有無、有効であるとすればその理由、そして、これらは予防策なのか、治療策なのかについて説明します。
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1.塩、ヨーグルト、なた豆は「歯周病」に有効なのか?
1-1.塩は歯周病に有効?
市販の歯みがき粉にもよく「塩」が入ったものがあります。
塩は、歯みがき粉が無い時代には塩で磨いていたと言われるほど歴史の古いものです。
それは「塩」の殺菌作用や唾液分泌を促進することを昔の人は経験で知ったからだと思われます。
そして歯周病に有効とされる理由は「収斂作用」によって歯ぐきを引き締める効果にあると思われます。
1-2.ヨーグルトは歯周病に有効?
ヨーグルトが歯周病に有効だといわれる理由は、歯周病の原因菌を乳酸菌が抑制する効果にあると思われます。
ひとくちに乳酸菌といってもたくさんの種類があります。
そして、歯周病菌に働く乳酸菌は「乳酸菌LS1」という種類です。しかしながら、この乳酸菌が入ったヨーグルトは残念ながらありません。
ただ、ヨーグルトに含まれる乳酸菌本来のプロバイオティクス効果によって免疫力が向上するため、間接的ではありますが、ヨーグルトは歯周病や口臭予防に効果があると思われます。
1-3.なた豆は歯周病に有効?
なた豆に含まれるカナバニン、コンカナバリンAには、歯周病に効果を発揮する成分とされています。
カナバニンには膿を排出したり、炎症を抑える働きがあり、継続的に摂取することで歯ぐきの腫れや出血などを抑える効果があると言われています。
また、コンカババリンAには免疫力を高める効果があると言われています。
2.塩、ヨーグルト、なた豆を使った効果の有効活用
2-1.塩、ヨーグルト、なた豆を使った歯磨きは予防?治療?
塩、ヨーグルト、なた豆を口の中で作用させる場合、それぞれの特性によって予防として使用するべきか、治療法として取り入れるべきか分かれます。
上述で説明した成分の働きなどを理解し、上手に取り入れていきましょう。
2-2.塩
塩の作用は浸透圧による「引き締め」効果です。
余分な水分を排出させることで、歯周病菌が繁殖しにくい環境をつくる手助けをします。
歯周病でない時であれば予防効果もありますし、歯周病で炎症を起こしている場合は、悪玉菌が増殖していますので、塩の殺菌効果で進行を抑える「治療」の補助にもなっていると考えられます。
2-3.ヨーグルト
上述のとおり、歯周病の原因菌に直接働くとされている乳酸菌は、ヨーグルトの中には残念ながら含まれていませんが、乳酸菌によるプロバイオティクス効果により、免疫力を向上させるため、間接的に歯周病を抑制すると言われています。
直接的な治療作用ではありませんが、日頃から行うことによって歯周病になりにくいように免疫力を高める作用があると考えれば有効といえるでしょう。
2-4.なた豆
なた豆もヨーグルト同様、免疫力を向上させる効果があります。
そもそも歯周病は、加齢に伴い発症しやすくなる病気の一つです。これは加齢により免疫力が低下するからです。
そこでなた豆を継続的に摂取することで、お口の中の細菌バランスを良好にして歯周病予防にも繋がると思われます。
3.塩、ヨーグルト、なた豆を使った歯磨き法
3-1.塩を使った歯磨き法
歯ブラシに塩を直接付けてブラッシングします。
歯ぐきをマッサージするように歯と歯ぐきの境目を狙いましょう。歯ぐきが引き締まって悪玉菌の繁殖を防ぎます。
塩分が含まれている歯みがき粉を使用する場合でも、塩は粒状のものが入ったものをお勧めします。
塩は使う際には、精製塩は避けてミネラル豊富な天然塩にしましょう。
3-2.ヨーグルトを歯周病に有効的に使うには?
やわらかめの歯ブラシに、歯みがき粉を付ける要領でヨーグルトを乗せて磨きます。
歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)を狙ってマッサージするように磨きましょう。口の中に溜まったものは飲み込んで構いません。
そして、口の中で乳酸菌を増やすため、うがいはせずにそのままにしておきます。
虫歯予防のため、使用するヨーグルトは無糖タイプを選択して下さい。
3-3.なた豆はどう歯周病に作用する?
なた豆をお口に作用させる方法としては、なた豆成分が配合された歯みがき粉を使用するのが一般的です。
種類によっては、なた豆以外にも塩分をはじめとする歯に良いとされる成分を配合しているものもあり、効果が期待されます。
ただし、なた豆が配合されている歯磨き粉は高価なので日常的に使用するものとしては難しい方もいらっしゃるかと思います。
歯面に取り込むという作用で考えれば、なた豆茶を日常的に飲むというのも一つの方法です。
まとめ
「塩、ヨーグルト、なた豆」は巷の話の通り、歯周病には有効な成分と言えるでしょう。
ただし、治療として直接的に作用するというよりかは、予防としての側面のほうが強いと思われます。
日常的に継続して取り込むことで免疫力を向上させ、歯周病にかかりにくくすることにつながります。
ただ、これらの成分だけに依存するのではなく、あくまで歯周病対策の一つとして考え、取り入れてみて下さい。
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