親知らずの抜歯は、術後痛むイメージが強く、抜くことを不安に思う人もいると思います。
それでも残しておくことのリスクを考え、意を決して親知らずを抜歯したのに、抜歯後の傷の痛みだけではなく、頭痛や肩こりが起こる人もいらっしゃいます。
ここでは、親知らず抜歯後の頭痛や肩こりの原因について説明します。
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1.なぜ親知らず抜歯後に頭痛や肩こりが起こるのか
親知らずの抜歯自体は、頭痛や肩こりの直接的な原因にはなりませんので、不用意に怖がることはありません。
ただ、親知らず抜歯に関連して、いくつか原因となるケースは考えられます。
1-1.親知らずの抜歯後に頭痛や肩こりが起こるメカニズム
親知らず抜歯後、傷口が炎症を起こし、その炎症が周囲筋肉に波及することで頭痛や肩こりとして症状をでることは考えられます。
この傷口の炎症は、ひどくなると「ドライソケット」という症状になることもあります。
1-2.元々の症状が影響を受けること!?
抜歯後、一時的な傷口周辺の炎症の影響であっても、普段から頭痛や肩こりがある人は上述の影響で症状が悪化することもあります。これに関しては炎症が治まれば、じきに症状が緩和されることが多いです。
2.親知らずの抜歯後、気を付けなければならない「ドライソケット」
「ドライソケット」とは、抜歯後に歯ぐきに開いた穴がなかなかふさがらず、骨が直接むき出しになってしまう状態のことです。主に、歯を支える骨(歯槽骨)に近い部分である、親知らずの抜歯の際に起こります。
2-1.なぜドライソケットになるのか
抜歯後の穴は1~2週間の間に血餅というもので覆われ、徐々に修復されます。
しかし、何らかの原因で血餅がうまくできないと、骨の上に歯ぐきが再生されずに表面が出たままになってしまいます。これがドライソケットです。
ドライソケットになると、食事の際、食べ物がドライソケット部に直接当たると、強い痛みを伴います。
2-2.ドライソケットの悪化により起こる頭痛と肩こり
ドライソケットが悪化すると、「急性歯槽骨炎」という骨の炎症を引き起こしてしまうことがあります。
歯槽骨炎になると直接的な痛みもありますが、顎の骨周囲の筋肉の炎症から頭痛や肩こりを併発するのではないかとも言われています。
3.普通の歯を抜く時でも頭痛や肩こりは起こるのか?
では、親知らずではない歯を抜歯した際に、頭痛や肩こりが起こることはあるのでしょうか。あるとすれば、親知らずの抜歯の際の頭痛や肩こりを引き起こす要因と違いがあるのか比較してみましょう。
3-1.頭痛・肩こりを引き起こすメカニズムは同じ
親知らずに限らず、どの歯であっても、抜歯したことから頭痛と肩こりを引き起こすメカニズムは「炎症」という点では同じです。
抜歯後の創部がきちんと閉じて治れば炎症は起こりません。何らかの原因により、周囲組織が炎症を起こすことで、同様に頭痛や肩こりに波及します。
3-2.炎症以外に考えられる原因は?
抜歯すると、あったはずの場所に歯が無くなります。そこで、今までのかみ合わせに「ずれ」が生じることがあります。
歯並びは少しのバランスの違いでも敏感に感じ、その不調和が原因で頭痛や肩こりを生じることがあるのです。抜歯後、欠損部の修復等はきちんと治療を受けるようにしましょう。
4.抜歯後、頭痛や肩こりを引き起こさないために
抜歯したことからの因果関係から、頭痛や肩こりに波及することはあります。では、どうしたら抜歯後に頭痛や肩こりを予防することができるでしょうか。
4-1.抜歯後の注意点をしっかり守りましょう!
抜歯後、歯科医院から注意事項が伝えられます。また、抗生物質や痛み止めなどの薬も処方されることがほとんどです。注意事項はしっかり守り、薬の用法・用量も決められたように飲みましょう。
4-2.傷口に触れないようにしましょう
傷口にできた血餅は、傷口の治りを促すかさぶたの役割をします。
食べかすが詰まったり、ブヨブヨして気持ち悪いからといって、歯ブラシや綿棒で取り除こうとしたりするのは、絶対にやめましょう。
4-3.口腔内を清潔に保ちましょう
傷口の治りが悪いと、細菌感染から炎症を引き起こすことも考えられます。
血餅を触らないようにすることも大事ですが、抜歯前から口腔内を清潔にすることを心掛けましょう。術前に歯石除去などのクリーニングを受けておくのもよいと思います。
まとめ
親知らずを抜歯したこと自体は、頭痛や肩こりの直接的な原因ではありません。
しかし、抜歯したことによる様々な要因が波及して、頭痛や肩こりの引き金になっていることはありえます。
まずは抜歯後の注意事項を守り、1日も早く傷がふさがるような生活をおくりましょう!
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