ごく一般的な歯科治療は、短くて1日、長くても2~3ヶ月程度かかると言われています。ですから、例え転勤などで引っ越しをすることになったとしても、転院する必要がないケースがほとんどです。
しかし、インプラント治療のような長期的なメンテナンスが必要な治療は、話が別になります。インプラントは5年10年と長い期間使い続けることのできる優れた治療法ですが、その分メンテナンスが非常に重要となってくるため、引っ越しをする際には転院が必要になります。
ここでは、インプラントのメンテナンス中の引っ越し、やむを得ない理由で転院することになった場合の対処法について、そのメリット・デメリットも交えて説明します。
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1.メンテナンス中に転院するのは簡単ではない
最初に、インプラントのメンテナンス中に引っ越しをした場合に、そもそも他の歯科医院に転院することは可能なのか、という大きな問題があります。
なぜなら、インプラントというのはとても精密な治療のため、使用する器材や素材の種類も数多く存在しています。
具体的には、歯科医院によって採用しているインプラントシステムやメーカーはそれぞれ異なります。ですので、極端な話をいえば、インプラントを取り外しするためのネジですら規格が異なり、転院先にはそのネジに合ったドライバーすらないこともあり得るのです。
上記の理由から、インプラントのメンテナンス中に引っ越し等、転院することは、簡単なことではないということは知っておいて下さい。
それでも、後述の点に注意すれば、インプラントのメンテナンス中の転院も不可能ではありません。
1-1.紹介状を書いてもらう
インプラントのメンテナンス中に引っ越し等で転院をする場合は、まず今現在通院している歯科医院に相談する必要があります。
きちんと理由を説明すれば、紹介状を書いてくれる歯医者がほとんどかと思います。
紹介状にはどのメーカーのインプラントシステムを使用して、どのようなインプラント治療を施してきたかが詳細に記載されます。
それがあって初めて、転院先の歯医者がメンテナンスを引き継ぐことができますので、紹介状は非常に重要な書類といえます。
1-2.同じインプラントシステムを採用しているか
次に大切なのは、転院先がどのようなインプラントシステムを採用しているかです。
インプラントのメンテナンスというのは、単にネジの緩みや噛み合わせなどを調整するだけではありません。必要に応じて部品を交換したり、場合によっては追加の手術を行ったりすることもあるのです。その際、引っ越し前の歯科医院で採用していたメーカーと同じシステムでなければ、転院先の歯科医院は対処が非常に難しくなるのです。
ですから、引っ越し先で転院する歯科医院を探す際には、自分が受けたインプラントシステムと同じものを採用しているか事前に確認するようにしましょう。
2、メンテナンス中に転院するメリット・デメリット
2-1.転院した場合のメリット
インプラントのメンテナンス中に引っ越した際、別の歯科医院に転院できれば、引っ越し後にわざわざ転院前の歯科医院に通う必要がなくなります。
引っ越し先にもよりますが、例えばそれが県外、国外であったらメンテナンスの度に通院するだけでも大きな負担がかかります。
他に考えられるメリットとしては、、例えば現在治療を担当している主治医との相性が悪かったり、設定されている治療費に納得できなかったりした場合、今後はもっと相性の良い歯科医院に通うことができますので、転院するメリットは大きいかと思います。
2-2.転院した場合のデメリット
インプラントのメンテナンス中に引っ越し等で転院するデメリットは数多くあります。
まず、治療を受けたインプラントシステムを採用している転院先を見つけ、なおかつインプラントのメンテナンスを引き継ぐことの承諾してくれる歯科医師を探さなければいけないのがデメリットに挙げられます。
一番大きなデメリットは、インプラントのメンテナンス中に転院すると、転院前に加入した保証制度が無効になることがあることです。インプラントの保証制度には、いろいろな規約が盛り込まれています。その中には、治療を受けた歯科医院で適切なメンテナンスを受けるといったものも含まれることが多いのです。
まとめ
インプラント中に引っ越し等で転院をせざるを得ない場合、現在通われている歯科医院の紹介状と、現在のインプラント治療を引き継いでくれる、転院先の歯科医院と歯科医師を探さなければいけません。
転院が成功すれば引っ越し先からわざわざ通院するという手間が省けますが、一方で保証が無効になる場合があるデメリットも考慮しなければなりません。
インプラント治療中に、引っ越し等、やむを得ない理由で転院せざるを場合は、上述した点に注意しながら転院先と歯科医師を探してみて下さい。
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