皆さまは痛くてつらい口内炎に悩まされていませんか?
口内炎はさまざまな原因が考えられており、その一つにはビタミン不足があります。しかし重度の口内炎は、全身の病気の兆候である場合もあります。
ここでは、口内炎の種類や原因、全身との関連や対策について説明します。
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1.アフタ性口内炎
もっとも一般的な口内炎は、唇の裏側の粘膜や舌にできる、円形の白っぽい病変で痛みを伴う「アフタ性口内炎」です。
アフタとは粘膜の一部が剥がれおち、「潰瘍」という状態の中で、特に口腔粘膜にできる、白っぽくて円形の潰瘍を指します。
アフタ性口内炎は子どもでできやすく、大人では40歳くらいまでが罹患すると言われています。また罹患率は大人では若い女性、とくに社会経済的地位の高い人で罹患率が高いとされています。
一般的に、アフタ性口内炎は痛みがでてから10日前後で治り痕も残らないため、我慢できる範囲であれば自然治癒をまかせても問題ありません。
しかし、治りが遅い、治癒までの間強い痛みで日常生活に支障をきたす、治ってもすぐに口内炎ができてしまうなどの症状がある場合は注意が必要です。
2.ヘルペス性口内炎
アフタ性口内炎と似ているものに、「ヘルペス性口内炎」があります。
ヘルペスとはヘルペスウイルスの感染によるもので、風邪をひき、免疫力が低下したときに発症し、唇にできる水疱がもっともよくみられる症状です。
ヘルペスでも白っぽい病変がみられることがありますが、歯肉や硬口蓋(上あごの粘膜の硬い部分)にできることが多いとされます。
一方、アフタ性口内炎は唇の裏の粘膜、頬の粘膜、舌などにできます。
ヘルペス性口内炎の場合、アシクロビルという抗ウイルス薬が有効です。感染から治療開始が早いほど効果的であるため、内科への早めの受診が大切です。
3.再発性アフタ性口内炎
大きなアフタ、複数個のアフタ、痛みが強い、治っても頻繁に繰り返されるなどの場合、「再発性アフタ性口内炎」が疑われます。
原因はいくつか考えられますがまだ分かっていないことも多く、また治りにくいアフタ性口内炎は全身疾患の一つの症状である可能性が高いと言われています。
3-1.外傷による原因
アフタができる原因として、唇の粘膜を噛んでしまった、歯ブラシをしているときに強く当たってしまった、また形態不良のクラウン、ブリッジ、入れ歯などで口腔名粘膜に傷をつける等があります。
お口の粘膜を傷つけないように心掛け、また口の中で当たってしまう詰め物や被せ物がある場合は歯医者さんに相談しましょう。
3-2.ビタミン不足による原因
血液中の鉄やビタミンB12、葉酸不足によりアフタが発症することがあります。
過去の研究では、ビタミンB12製剤を投与した患者ではアフタ発症の期間、アフタ数、痛みの強さが有意に減少という報告があります。
ビタミン製剤は手軽で安価であり、日常生活にとりいれてみるのもいいかもしれません。
3-3.全身疾患による原因
再発性アフタにはお口の中だけではなく、他の臓器の病気から症状の一つとしてアフタが発症するものがあります。
3-3-1.性器の潰瘍
再発性アフタ性口内炎では外陰部に潰瘍を伴うことがあり、お口の口内炎は急性外陰潰瘍という病気の一つの症状とされています。
また、口腔粘膜の再発性アフタ、外陰部潰瘍に加え、目にぶどう膜炎を伴った場合、「ベーチェット病」という難病(特定疾患)と診断されます。
ベーチェット病はごく稀な病気ではありますが、原因不明の難治性の疾患で特別な治療が必要です。
3-3-2.胃腸障害
口腔は消化管の入り口であり、胃腸障害がお口の粘膜にアフタとして症状があらわれることがあります。
「潰瘍性大腸炎」、「グルテン過敏症腸炎」、「クローン病」が関連病として考えられています。
3-3-3.細菌感染
近年では、多くの研究者がアフタの原因として細菌感染との関連を調査しており、もっとも注目されているのが「ヘリコバクター・ピロリ菌」です。
ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、胃炎や胃がんを引き起こすことが知られています。
ある研究によると、ヘリコバクター・ピロリ菌を除菌した患者では、ビタミンB12の値が増加し、アフタの数が減少したという報告があります。
4.アフタ性口内炎の治療
アフタ性口内炎の治療は原因が必ずしも特定できないことも多く、原因に対する治療というよりは、まずは症状を和らげる治療を行います。
アフタ性口内炎に対してはステロイド含有の軟膏がもっともよく用いられ、急性炎症を和らげます。
他には、CO2レーザー治療を行うことで痛みが和らぐと言われています。
また、日頃のケアとして、ビタミンB12をより多く摂取することもアフタ性口内炎の予防・治癒促進に効果的です。
まとめ
口内炎が自然に治らない、頻回に繰り返す、あるいは痛みが強い場合は、自己流のケアだけでは治りません。症状が強い場合にはまず歯科医師に相談しましょう。
また、外陰部潰瘍を伴うときには産婦人科や泌尿器科、胃腸障害の自覚があれば内科への受診をお勧めします。
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