顎関節症と咬合(こうごう)
- 2016/11/9
- 顎関節症
現在、顎関節症と咬合は関係なく、Self limitingすなわち自然に治る病気とする考えが大半を占めています。また、これを根拠に基づく医療(EBM)として認知されています。
しかし、それは本当でしょうか?
かみ合わせと関係がないにも関わらず、顎関節症治療の際に口腔内にスプリント(マウスピース)という装置を装着します。かみ合わせと関係がないのに口の中に装置を入れるなんて不思議ですね。
また、どの学会に出ても、診断はしっかりやりますが、治療法は常に薬物投与、カウンセリングなど対症療法を行うメンタル的要因を主として具体的な顎関節へのアプローチがないのが現状です。勿論、顎関節症すべてが咬合(かみ合わせ)が原因だとは言えませんが、少なくとも咬合とそして咬合・メンタル要因を総合すると当医院では90%以上がその影響であり、メンタル的要因であるものは少ないと考えて良いのではないでしょうか。特に顎がかくかく鳴ると心配される方も多いのですが、物理的に関節に音がし、気になることに対し、これをメンタル的要因とは考えにくいと思っています。
今までは、顎が動いている状態よりも開いている時、閉じている時を見ますが、動いているときを観る事がなかったと思います。動くときにどんな異常があるか、それを判断し、歯に問題があるかどうか、筋肉にどんな弊害があるかどうか考えなくてはなりません。二つの関節を持つ顎、その動きをどのように捉えて、それを“見抜く”こと、それが顎関節症と咬合の治療の鍵になります。薬を使う対症療法では治癒を望めませんし、治らない理由を並べても何の解決にもなりません。患者さんにとって結果は治るか治らないだけですからね。
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