これって虫歯?歯周病?どっちなの?見分け方ってあるの?
- 2016/11/2
- 虫歯
口の中に違和感、痛みを感じる時、この原因が「虫歯」であるのか「歯周病」であるのか、ご自身で区別がつけられるのでしょうか?
また、素人の目でも見分けがつくものなのでしょうか?
ここでは、虫歯や歯周病の見分け方や、症状の違いによってどっちか判断する要素について説明します。
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1.虫歯と歯周病はそもそもどう違う?
1-1.虫歯と歯周病はちがう病気?
虫歯と歯周病は、どちらも口の中で起こる病状ですが、そもそも起こる場所も原因菌も全く違うものです。
虫歯は歯に起こるものであり、歯周病は歯ぐきに症状が起こります。
ただし、歯の表面に形成されるバイオフィルムに菌が寄生し、そこから作り出される「歯垢」という細菌の塊が、根本的な原因の始まりであることは共通しています。
1-2.症状が悪化すると、何が原因なのか解りにくくなる
病状は違っても、症状が悪化すると、どちらも痛みを伴う場合がありますし、症状が別の部分にも波及するためさまざまな病状が増えてしまいます。
そうなると、原因は虫歯だったのか歯周病だったのか?と素人判断では難しくなるのかもしれません。
では、それぞれ症状はどのように進行するのでしょうか?
2.虫歯の進行具合と見た目の変化
2-1.虫歯の症状はどう進む?
虫歯は、口腔内に常在しているミュータンス菌によって、口に取り込まれた糖分をエサにして作り出す酸によって歯が溶かされたものです。
はじめに歯の表面のエナメル質を溶かしていきます。これを脱灰と言います。虫歯の初期症状は、色も着いていませんし、痛みもないので気づかないことがほとんどです。
これがエナメル質の内側にある象牙質まで進行し、神経に近くなってくると痛みを感じるようになります。
このくらいになれば、見た目でも歯に穴が確認でき、痛みで気が付くこともあると思います。
2-2.痛みがあるのに治療しないで放っておくと…
虫歯が神経に到達しても放置しておくと、神経が死んでしまい、一時期痛みを感じなくなることもあります。
中には、これで「治ったのかな?」と自己判断で歯科医院へ行かない方もおられるようです。
しかし、死んでしまった神経を放置しておくと、歯の中で腐敗して膿が溜まってしまい、再び痛みを感じるようになります。
その状態まで進行すると、見た目は歯ぐきが炎症してブヨブヨと腫れたり、膿が混じった出血を伴ったりするようになります。
2-3.虫歯かどうか見極めるには?
虫歯は初期段階では痛みも着色もなく、ほとんど見た目で判断することができません。
しかし穴が目立つくらい進行し、痛みが生じるころに気付いて、歯科医院に行くと、治療も長引いてしまいます。
初期段階であれば簡単な治療で済むので、早期発見・早期治療のためにも定期検診をお勧めします。
3.歯周病の進行具合と見た目の変化
3-1.歯周病の症状はどう進む?
歯周病は、歯磨きが不良な部分に残った歯垢に含まれる歯周病菌によって、歯ぐきが炎症を引き起こすものです。
歯周病の初期は、歯と歯ぐきの境目あたりが炎症し始めます。
この段階では痛みは感じられず、よく見ると他の引き締まった歯ぐきよりも若干赤く、歯と歯の間の歯ぐきの形が三角形であるべき部分が丸みをおびて見える程度です。
また、歯ブラシが当たると出血するのが特徴です。
3-2.歯周病に気付かず放っておくと…
歯周病は初期段階であれば、歯磨きをしっかり行うことで治ります。
しかし痛みを感じることがありませんし、生活習慣でクセのある歯磨きのままでは改善は見られません。
歯周病が進行してしまうと炎症が大きくなり、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」が深くなってしまいます。
歯垢や歯石が歯の根っこの方まで入り込んでさらに炎症が悪化すると、膿が溜まり、歯を支える骨(歯槽骨)を破壊して、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
3-3.歯周病かどうか見極めるには?
歯周病は初期段階であれば歯磨きをすることで治ります。
一番のサインは出血です。
歯と歯ぐきの境目から歯磨きの時に出血する場合は、歯周病が始まっているのかもしれません。
普段から歯磨きの際に歯と歯ぐきの境目に毛先が当たるようにして汚れを落とします。
そして歯ぐきも毛先でマッサージすることで引き締まってきます。
注意したいのは、あまり強い力で磨くと歯ぐきを傷つけることで出血することもありますので気を付けましょう。
歯磨き方法は自己流では改善しないので、歯科医院でブラッシング指導を受けるのが良いでしょう。
まとめ
口腔内に痛みや出血などの違和感がある時、虫歯と歯周病どっちなのかと迷われることもあると思います。
虫歯と歯周病のメカニズムやなってしまった時の症状の違いを知っておくことで見分けることができると思います。
虫歯、歯周病はどちらも不可逆的な疾患で、自然に治ることはありません。
症状が悪化して歯を失うことになる最悪の事態を防ぐことにもなるため、おかしいと思ったら早めに歯科医院に相談しましょう。
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