虫歯予防のために、日頃からキシリトールガムを噛んでいる人は多いかと思います。その効果が認められたためか、市販されているガムの多くに、キシリトールが配合されるようになりました。
そんなキシリトールガムですが、歯磨き後に噛むとむし歯を助長するかもしれない、という噂が一部でささやかれています。ここではそうしたキシリトールガムとむし歯との関係について詳しく解説します。
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1. キシリトールガムがむし歯予防に役立つ理由
皆さんは、そもそもなぜキシリトールガムがむし歯予防に役立つのかをご存知でしょうか。
1-1. 唾液の抗菌作用と自浄作用
キシリトールガムに限らず、ガムを噛むこと自体がむし歯予防につながっています。これは、ガムを噛むことで唾液の分泌が促進されるからです。
唾液には、虫歯菌などに対する抗菌作用がありますので、沢山の唾液が分泌されることで、むし歯の発生を抑えることが可能となります。
また、唾液は歯の表面や口腔内に存在している食べ物の残りかすなどを喉の奥へと流し込む作用もあるため、虫歯菌の餌となる物質を除去することができるのです。
1-2. 噛むことで歯茎の血行が良くなる
ガムを噛むと、主に咀嚼筋という筋肉をよく使います。筋肉が緊張したり収縮したりすると、そこに分布している血管内の血流が良くなります。その結果、歯茎に酸素や栄養素が行き渡り、免疫力も向上するのです。
歯周病やむし歯というのは、細菌への感染症であるため、免疫力を向上させることは非常に重要といえます。
1-3. 細菌の餌にならない代用糖
キシリトールは砂糖と同じように甘味を感じることのできる物質ですが、細菌の餌にはなりません。
むし歯というのは、細菌が糖を餌にして酸性物質を分泌することで発生する病気ですので、キシリトールのように餌にすることができないものは、むし歯のリスクも下げることにつながるのです。
2. 歯磨き後にキシリトールガムを噛むとどうなる?
さて、ここから本題に入ります。
上述したようにキシリトールガムというのは、むし歯予防に大きく貢献する商品です。これだけ多くのメリットがあるので、毎日、むし歯予防のために噛む価値は大いにあるといえるでしょう。
そこで気になるのがデメリットです。どんなに健康に良いものでも、扱い方を誤ると害が及ぶものですよね。
2-1. 歯磨き後にキシリトールガムを噛むのは悪いことではない
歯磨きをした後にキシリトールガムを噛むことは、基本的に割ることではありません。キシリトールガムにはむし歯の原因となるスクロースなどが含まれていませんので、歯磨き後に噛んだとしてもむし歯を助長することにならないからです。
むしろ、唾液の分泌を促す効果があるため、むし歯菌の増殖を抑える作用が期待できます。ただし、1点だけ注意が必要です。それは歯磨き粉に配合されているフッ素です。
2-2. フッ素の効果を弱めるというデメリットはある
最近の歯磨き粉には、フッ素が配合されていることがほとんどです。フッ素はむし歯予防に効果のある物質で、口腔内に残留し続けることが大切なポイントとなります。
ですから、歯磨き後にキシリトールガムを噛むと、唾液は沢山分泌されるのですが、それと一緒に、歯磨き粉に含まれていたフッ素が食道へと流れていってしまうことになります。
つまり、歯磨き後にキシリトールガムを噛むことは、むし歯を助長するのではなく、フッ素によるむし歯予防効果を減弱されることになりますので注意が必要です。
3. まとめ
このように、歯磨き後にキシリトールガムを噛むと、歯磨き粉に含まれているフッ素の効果を弱めることがあります。同時に、歯磨き後にも唾液による抗菌作用や自浄作用が期待できるため、一概にデメリットだけがあるとはいえません。
また、フッ素入りの歯磨き粉を使っていない人や、そもそも歯磨き粉自体を使っていない人にとっては、歯磨き後にキシリトールガムを噛むことのデメリットはほぼないといえます。以上のことを踏まえた上で、キシリトールガムを効果的に活用してみてはいかがでしょうか。
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