口内炎というのは、お口の中のいろいろな部位に生じることがあります。
口角や頬の裏側にできることはよくありますが、歯茎や舌の裏にできた白い病変も口内炎の可能性があります。
ここでは、歯茎や舌の裏にできる口内炎の主な原因や、口内炎以外で考えられる病気などについて詳しく解説します。
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1.舌の裏や歯茎にできる口内炎の原因
舌の側面や裏側にできる口内炎というのは、舌を誤って噛んでしまったことが原因であるケースが珍しくありません。
特に舌の側面であればその可能性が高いです。
ただ、舌の真裏であれば、誤って噛んだ際に傷つくことがありませんので、他の可能性も考えられます。
歯茎に関しては、硬い食物を噛んだ際に傷つくことによって口内炎が生じるケースが多いといえます。
2.なぜ白いのか
口内炎は、口腔粘膜に生じた炎症であるにも関わらず、なぜ白くなるのかと不思議に思われる方もいらっしゃることでしょう。
炎症とは、皮膚や粘膜に細菌などが感染して生じる病態で、一般的には赤く腫れるものです。
ただ、舌の裏や歯茎に出来る口内炎というのは、白いことも珍しくありません。
これはアフタ性口内炎と呼ばれる種類の口内炎で、表面が膜で覆われるために白く見えます。
ですから、口内炎の中で炎症反応が生じていることに変わりはないのです。
3.見た目が似ていて口内炎と間違えられやすいもの
歯茎や舌の裏などにできる白い病変は、一見すると口内炎に見えても実は違う病気である可能性も否定できません。
ここでは見た目が似ていても、実際は口内炎ではないケースについて解説します。
3-1 大きな袋状の病変
例えば舌のすぐ下には、舌下腺と呼ばれる唾液腺が存在しており、この唾液腺が何らかの原因で詰まるなどして、口内炎に似た病変が生じることがあるのです。
専門的にはガマ種と呼ばれている病気です。
ただ、ガマ種の場合は、発症初期の病変は小さく、次第に大きくなっていきますので、見た目は明らかに口内炎ではないことがわかります。
3-2 白い病変部が広範囲に及んでいる
舌の裏の白い病変が、一般的な口内炎のように白い点ではなく、広範囲に及ぶ面である場合は、白板症という病気が疑われます。
白板症は前癌病変とも呼ばれる病気で、組織がガン化する一歩手前の状態にありますが、必ずしも悪性化するというわけでもなく、治療が必要ないこともあります。
ただ、そうした広範囲に及ぶ白い病変が舌の裏に確認できたら、一度医療機関を受診することをお勧めします。
3-3 舌の裏の網状の白い病変
舌の裏にレースカーテンのような網状の白い病変が見られた場合は、口腔扁平苔癬という病気が疑われます。
口腔扁平苔癬は、粘膜が白く角化した病変で、稀に癌化することがありますが、基本的には軟膏などの薬物療法で治る病気です。
白い病変という点では口内炎に似ているのですが、形状は大きく異なるため判別するのは容易といえます。
4.口内炎を悪化させる要因
歯茎や舌の裏にできる口内炎は、食物や入れ歯などで傷つくことで生じるケースが多いですが、その症状は生活習慣などによっても悪化していきます。
例えば喫煙は、歯茎の白い口内炎だけでなく、歯周病を誘発することがあります。これはタバコを吸うことによって、歯茎の血行が悪くなるからです。
それから食生活でビタミンが不足していると、口内炎を発症しやすくなります。
その他、ストレスを受けやすい生活を送っていても、口内炎が悪化しやすくなりますので注意が必要といえます。
5.まとめ
口内炎は口腔内のいろいろな部位に発生します。
口角や頬の粘膜であれば、日常的にもできやすい部位ですので、あまり気にならないかもしれませんが、歯茎や舌の裏に白い口内炎ができると、少し心配になる方もいらっしゃることでしょう。
上述した通り、基本的には普通の口内炎と変わりありませんが、もしかしたら違う病気の可能性もありますので、気になる方はまず医療機関を受診しましょう。
特に痛みが強かったり、病変が大きかったりする場合はすぐにお口の中を診てもらうことをお勧めします。
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