日本でも、予防歯科の概念が広まって、上手に虫歯予防できている人が増えてきています。定期的に歯科検診を受けたり、歯ブラシ以外の清掃器具を使用したりしている人も珍しくなくなってきました。
これらの人の中でも、特にオーラルケアに、フロスを採り入れている人は多いのではないでしょうか。
ここでは、フロス(糸ようじ)の使用頻度や使用のタイミング等について説明します。
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1.フロス(糸ようじ)が果たす役割
フロスとはいわゆる糸ようじのことで、薬局やドラッグストアなどで簡単に手に入れることができます。
ただ、取扱いや使用方法についてはいくつか注意すべき点があります。
1-1.フロスの役割
まず始めに、フロスの役割について考えてみましょう。
おそらく大半の人は、歯ブラシによる歯磨きを基本に、オーラルケアを行っているかと思います。そこにプラスアルファとして、糸ようじなどのフロスや歯間ブラシなども活用していることでしょう。
歯ブラシを用いた歯磨きは、歯の表面の汚れを落とすことがメインであり、歯と歯の間に入り込んだ歯垢などはなかなか落とすことができません。そこで力を発揮するのがフロスです。
フロスなら、歯ブラシの毛先が上手く入り込めない歯と歯の間でも、しっかりと入り込んで食べかすや歯垢を除去することが可能なのです。逆に、
歯の表面の汚れはフロスで落とすのは困難であるため、歯ブラシとフロスでは、使用する目的が全く異なることを知っておいて下さい。
1-2.フロスの使用回数について
虫歯というのは、歯と歯の間から発生するケースが非常に多いです。
これは歯と歯の間に歯垢がたまりやすいからです。
それだけに、フロスの果たす役割と効果は大きく、使用すればするほど、虫歯予防に貢献してくれると期待できます。
フロスは、1日に1回しっかりと使用すれば、十二分に虫歯予防の効果を発揮します。
もちろん、食事をする度に、歯と歯の間には汚れが入り込み、フロスを必要とするような状態になるのですが、毎食後にフロスを使用する必要はありません。
理由は、歯磨きでも言えることですが、やり過ぎることはかえってマイナスな効果を生んでしまうこともあるからです。
2.フロスの使い方
既にフロスを使っている方はお分かりかと思いますが、使い方を誤ったり、過剰な頻度で使用したりすると、歯ぐきを傷めることが多々あります。
フロスは歯ブラシよりも力加減を制御しにくい道具のため、1日に何回も使用すると歯茎の出血や炎症のリスクを高めてしまいます。
ですので、1日1回を目安として、フロスを上手に使っていきましょう。
3.歯周病でもフロスは使用すべき
歯周病の方が糸ようじなどのフロスを使用すると、すぐに出血が起こります。そうなると、どうしても出血が怖くなり、糸ようじの使用をやめてしまう方も多いですが、実はそれが間違いであることが多いです。
もちろん、あまりにも出血が多かったり、痛みや腫れが酷かったりする場合は、糸ようじの使用を控える必要があります。
しかし、歯周病の治療を進めている場合は、糸ようじもしっかり使用していきましょう。
あと、歯と歯の間にプラークや歯石が存在していると、いつまで経っても歯周病は治りません。その点に関しては、主治医からもきちんとした説明があることかと思います。
4.フロスを使用するタイミング
フロスを1日に1回使用する場合、いつ使うのか効果的なのか気になるかと思います。
結論からいうと、フロスは夜眠る前に使用するのが、最も効果的ということになります。
理由は、前述の通り、食事の後にはどうしても歯と歯の間に汚れが入り込んでしまうからです。ですから、厳密には最後に食事をした後の歯磨きと一緒に、フロスを使用することをお勧めします。
眠っている間は、唾液の分泌も減り、虫歯菌が活性化しやすい環境になるため、1日の最後の歯磨きで糸ようじを活用し、プラークフリーな状態を作ることが望ましいのです。
まとめ
フロスは、歯ブラシの補助的な器具のイメージが強いですが、歯と歯の間の汚れをとる優れた製品です。
フロスは、虫歯や歯周病の予防に大きな力を発揮します。1日1回の使用回数、寝る前の歯磨きと一緒にフロスを使用することが最も効果が高いと言えます。さらに詳細な使用方法についてお知りになりたい方は、歯科医院で指導を受けることをお勧めします。
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