口の中に何か違和感を覚えた時、それが口内炎であるケースは意外に多いです。舌で触ると、粘膜が潰瘍状でザラザラとしていて、痛みや腫れを感じた経験がある方もいらっしゃると思います。
このような口内炎は、矯正装置や入れ歯によって生じることがあるのをご存知でしょうか。
ここでは、矯正装置や入れ歯などが原因で生じる唇の口内炎について、その理由と対処方法を説明します。
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1.唇や口腔粘膜はとてもデリケートな組織
私たちの口の中は、とてもデリケートにできています。
例えば、硬いせんべいを食べて、口の粘膜を切ったという経験は誰にでもあるかと思います。あるいは、熱い食べものを口に入れると、火傷を起こしたり、感覚が麻痺したりすることも珍しくはありません。
つまり、口の中の粘膜は、皮膚よりも熱などの刺激に弱く作られているのです。それは唇も同じです。
1-1.矯正装置・入れ歯
ここで、矯正装置や入れ歯といったものが何で作られているかを思い出してみましょう。
矯正装置は、ブラケットとワイヤーで構成されており、どちらも金属や硬いプラスチックが使われていることが一般的です。
入れ歯も同様の素材が使われています。
それが舌や唇、頬の粘膜に触れたら簡単に傷つくのは、容易に想像できるかと思います。
1-2.異常の根本原因
入れ歯や矯正装置をはめているからといって、必ずしも唇などに口内炎ができるとは限りません。
むしろ、唇や口腔粘膜に口内炎や潰瘍ができているということは、そもそもブラケットなどの矯正装置や入れ歯に異常があると考えた方が良いです。
適切な治療が行われていれば、入れ歯によって唇や口腔粘膜に口内炎ができるということはまずありません。
2.適合の悪い入れ歯や矯正装置が口内炎の原因となる
本来、矯正装置や入れ歯は、唇などに口内炎ができないような形で、口腔内に装着できるように設計されます。
それが何らかの原因で、唇を刺激したり、口腔粘膜を圧迫したりするようなことがあると、口内炎が発症するのです。
2-1.矯正装置・入れ歯装着初期の口内炎
入れ歯や矯正装置を装着して間もない初期の頃は、どうしても唇や口腔粘膜を刺激してしまい、口内炎を発症させることもあります。
ですので、治療を受けて1~2週間は様子を見ることをお勧めします。
もし、唇の口内炎が1ヶ月も治らない場合は、矯正装置や入れ歯に問題がある可能性が高いので、歯科医に装置を調整してもらう必要があります。
2-2.顎の骨や歯にも変化による口内炎
入れ歯や矯正装置を装着して長い時間が経過すると、装置自体はもちろんのこと、患者さんの顎の骨や歯にも変化が現れてきます。
矯正治療であれば、歯の移動が起こりますし、入れ歯であれば、顎の骨が吸収されたり、変形したりすることもあるのです。
その結果、矯正装置や入れ歯の適合が悪くなって、唇などに口内炎を発症させることもあります。
3.唇にできる口内炎を予防する方法
冒頭でも述べた通り、唇や口腔粘膜は外部からの刺激に弱いです。
それだけに、矯正装置や入れ歯といった硬い装置を装着する際には、細心の注意が求められます。
矯正装置や入れ歯が見た目上、綺麗に収まっているだけでなく、ものを噛んだり、言葉を発したりした際にも唇などを傷つける恐れがないよう設計する必要があります。この点は、歯医者の技量に関わってくる部分と言えます。
一方、唇にできる口内炎を予防するために、患者様自身が行える努力としては、矯正装置や入れ歯のケアが挙げられます。
せっかく矯正装置や入れ歯を完璧な状態で入れてもらっても、適当に扱っていると、すぐに適合が悪くなります。それが継続すると、入れ歯等が原因で唇に口内炎が生じることがありますので要注意です。
まとめ
矯正装置や入れ歯が原因となって、唇に口内炎が生じる原因と対処で、大切な事は、唇やお口の中が非常に繊細な組織であるのを自覚することと、その原因は歯科医院、患者様双方に起こり得るという2点です。
矯正装置や入れ歯というのは、長ければ数年単位で装着し続けるものなので、日頃のケアの重要性は改めて知っておく必要があると言えます。
入れ歯などによって生じる唇の口内炎を放置しておくと、新たな病気や口腔内のトラブルを招きかねませんので、まずは主治医に診てもらうことをお勧めします。
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