日本人でも多くの人が悩まされている顎関節症ですが、実際に現れている症状は様々です。
顎関節がカクカクと鳴る人もいれば、顎周囲に強い痛みを感じている人もいます。
あるいは、自覚症状がほとんど現れていなくて、顎関節症を発症していることに気づいていないケースも珍しくはありません。
ここでは、そんな顎関節症の症状について、レベル別に詳しく解説していきます。
スポンサーリンク
1.顎関節症のレベルに応じた症状
1-1 顎関節症の初期症状(レベル1)
顎関節症の初期には、大きく口を開けた際に「カックン」といった関節音がわずかに鳴るようになります。
いわゆるクリック音と呼ばれるもので、関節円板がずれることで生じます。
ただ、顎関節症の初期では、口を開ける度に毎回クリック音が鳴るというわけでもないため、自覚できないケースも珍しくはありません。
また、口を開けにくくなったり、顎関節やその周囲の筋肉に多少なりとも痛みを感じたりすることもあります。
これらは顎関節症の初期症状としては、現れないケースもあります。
1-2 顎関節症の中期症状(レベル2)
顎関節症の中期では、口を開けた際にクリック音が鳴る頻度が高まります。
同時に、開口量(口を開くことができる大きさ)が減少するため、食事の際に大きなものを口に入れにくくなります。
また、顎関節とその周囲の痛みも強まり、硬いものを噛んだり、口を大きく開けたりすることが困難となってきます。
1-3 顎関節症の末期症状(レベル3)
顎関節症の末期では、口を開くことができないクローズドロックという症状が現れます。
この症状が現れると、口は2センチ程度しか開かなくなるため、食事や会話などの日常的な動作にも支障が出てきます。
また、クローズドロックの状態で治療を受けずに放置すると、顎関節の骨がその状態で固まってしまい、治療をすることがさらに難しくなるため注意が必要です。
2.顎関節症のレベルに応じた対処法
2-1 初期レベルは生活習慣を見直すことで対応
顎関節症の初期レベルでは、時折クリック音が鳴ったり、比較的軽度の顎関節痛を感じたりすることがあります。
この段階では、まだ治療をする必要がないケースがほとんどです。
こうした顎関節症の軽い症状というのは、一時的なものであることも珍しくはないからです。
そこで見直してもらいたいのが、生活習慣です。
もしも今現在、日常的に頬杖をついたり、ガムを頻繁に噛んだりするような習慣がある場合は、それらを少し改善してみましょう。たかが頬杖と思われるかもしれませんが、頬杖をつくことで顎の関節にかなりの負担がかかっています。
それを毎日長時間行うことで、顎関節症を発症してしまう可能性も否定できません。
あるいは顎関節症の初期症状を悪化させ、中期症状が現れてしまうこともあるのです。
また、顎関節症の初期であっても、今の状態に不安を感じているのであれば、一度医療機関を訪れても良いかもしれません。
ちなみに、顎関節症の治療に詳しいのは歯科医ですので、歯科を受診することをお勧めします。
2-2 中期レベルは嚙み合わせの改善やマウスピースで対応
顎関節症の中期になると、明らかなクリック音と、生活に支障が現れる程度の開口障害などが現れてきます。
このレベルになると、顎関節症は治療の対象になります。
病院の口腔外科や歯医者などを受診して、顎関節の状態を診てもらいましょう。
顎関節の中期症状で、大掛かりな外科処置が行われることはまずありません。
口腔外科や歯医者では、口腔内診査やエックス線写真などを撮影して、顎関節症を引き起こしている原因を突き止めます。
嚙み合わせが原因の場合は、歯を少し削ることで症状を改善させていきます。
就寝中の歯ぎしりなどが原因の場合は、マウスピースを装着することによって悪習慣を取り除き、症状の改善を図ります。
2-3 末期レベルは外科処置が必要となることが多い
顎関節症の末期では、クローズドロックや関節等の激しい痛みが生じるようになります。
クローズドロック自体は、パンピングマニピュレーションという方法で、素手による解除を試みますが、根本的な原因については外科処置が必要となるケースがほとんどです。
具体的には、ボロボロになった関節円板を取り除いたり、変形した顎の関節の骨整形を行ったりします。
3.まとめ
このように、顎関節症は初期、中期、末期とレベルに応じて現れる症状が異なり、その対処法も大きく異なります。
大切なのは早めに症状を自覚し、適切な対応をとっていくことだといえます。
スポンサーリンク