顎関節症はとても厄介な病気で、そう簡単に完治させることはできません。
これは顎関節症が複合的な要素によって発症する病気だからです。
また、顎関節症は一度かかったら癖になるという話もよく耳にするかと思います。
ここでは、なぜ顎関節症は癖になるのか、再発防止のために出来ることなどを詳しく解説します。
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1.顎関節症が癖になる理由
顎関節症が癖になるという話は、あながち間違ってはいません。
というのも、顎関節症の原因というのが、食生活や口腔習癖など、日常生活で繰り返す動作が関係していることが多いからです。
1-1.口腔習癖を取り除かなければ再発する
例えば、歯ぎしりや食いしばりなどの口腔習癖が原因で顎関節症を発症している人は、筋マッサージや筋訓練法などによって咀嚼筋の緊張やこわばりが解消されたとしても、それは一時的なものに過ぎません。
歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖が根本的に改善されなければ、再び顎関節症を引き起こしてしまうのです。
顎関節症が癖になる理由のひとつがこれです。
1-2.関節円板や顎関節そのものに原因がある
顎関節がカクカクと鳴るクリック音や、口が開かなくなってしまうクローズドロックという病態は、関節円板や顎関節に異常があるため起こります。
ですから、開かなくなった口をマニピュレーション法などによって開くようにしたとしても、関節円板や顎関節の状態が変わっていなければ、再発することもあります。
また、クリック音も関節円板が脱臼しているために起こる現象ですので、脱臼した関節円板を戻したとしても、再び同じように脱臼することも珍しくはありません。
1-3.外科処置を施しても完治しないことがある
変形性顎関節症の治療では、外科処置が施されることがあります。
これは変形してしまった顎関節を害のないような形態に修正したり、変性してしまった関節円板を切除したりする治療法です。
これらはある意味で原因療法といえますので、再発したり、癖になったりする可能性は低いといえます。
けれども、冒頭でも述べたように、顎関節症は複合的な原因で発症する病気ですので、変形した関節組織に手を加えるだけでは完治しないこともあるのです。
2.顎関節症の再発防止策
上述したように、顎関節症は色々な理由で再発することがありますので、必ずしも完治できるとは限りません。
ただ、顎関節症治療の後には、有効な再発防止策もありますので、ここではそれについて詳しく解説します。
2-1.原因となる口腔習癖は徹底的に取り除く
歯ぎしりや食いしばりなどのブラキシズムが原因で顎関節症になっているケースでは、そうした口腔習癖を徹底的に取り除くことが最大の再発防止策といえます。
歯ぎしりや食いしばりというのは、百害あって一利なしですで、顎関節症の再発を防止することはもちろんのこと、口腔内全体の健康にも良い影響が現われますので、是非改善しましょう。
2-2.顎関節に負担をかけるような行動を避ける
硬いものを食べると、歯だけでなく、顎の関節にも多大な負担がかかります。また、大きく口を開けたり、頬杖をついたりするような習慣も顎関節症の再発を促進させますので控えるようにしましょう。
一度顎関節症かかると癖になるのは、そうした悪習慣が身に付いている人が多いのは確かです。
2-3.ストレスをため込まない
顎関節症が再発する原因というのは、上述したように複数存在しますが、その多くがストレスと関連しています。で
すから、ストレスをため込まないことや、上手にストレスを解消することが顎関節症の再発を防止する上で、非常に重要なポイントとなってくることでしょう。
3.まとめ
顎関節症という病気は、治療を施したのに再発してしまうことが珍しくありません。
いわゆる「癖になる」病気ですね。
ただ、治療後の生活で、色々な面に注意すれば、再発を防止することもできます。
顎関節症自体、複合的な要素が絡み合って発症する病気ですので、再発を防止する際も、様々な点に配慮しなければならないといえるでしょう。
顎関節は、ものを食べたり、言葉をしゃべったりする上で必要不可欠な部位ですので、大切にすることをお勧めします。
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