歯を削る際の不快な機械音や痛みが苦手で、歯医者から遠ざかっている人も少なくありません。特に、神経を直接刺激されたような鋭い痛みは、一度経験すると誰でも苦手意識をもってしまうものです。
そんな歯科治療の欠点を上手く補ってくれる新しい治療法として「カリソルブ」というものがあります。
ここでは、カリソルブの治療方法や保険適用の可否、実際にかかる治療費に目安や通院回数などについて説明します。
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1.カリソルブの治療方法
「カリソルブ」は、歯を削らずに虫歯を治療できるという点で、従来の歯科治療と一線を画しています。アミノ酸と次亜塩素酸ナトリウムから成る薬剤を歯に作用させるだけで、虫歯を治療できてしまうのです。
具体的には薬剤が、虫歯にかかっている歯質のみに作用して、徐々に病変部を溶かしていきます。
病変部とは、従来は歯科用ドリルで削り落とす部分です。虫歯治療で痛みを感じるのは、ドリルで歯を削るプロセスですので、それが丸ごとなくなるということは、痛みや不快感も限りなくゼロに近づくことを意味しています。
カリソルブでは、薬剤で溶かした歯質の部分をドリルではなく、専用の器材を用いて手で除去するため、痛みや不快な振動を感じることがないのです。
2.カリソルブの料金と保険適用の可否
2-1.カリソルブは保険適用外
一般的な虫歯治療では、保険が適用されるため、治療の負担は最大3割となります。
残念ながら、カリソルブは保険適用外のため、全額自己負担(10割)となります。
保険適用外の理由ですが、一つはカリソルブがまだまだ先進医療のため改良が必要ということが挙げられます。
もう一つは、治療にかかる時間の問題です。実は、従来の一般的な虫歯治療のようにドリルで病変を削った方が、効率が良いのです。
結果的に1回の治療時間も短くなりますので、コストパフォーマンスも上がります。
国はコストパフォーマンスが高い医療を保険対象としていますので、痛みや不快感が少ないという理由では保険診療にはならないのです。
2-2.カリソルブの治療費の相場
カリソルブは自由診療ですので、治療費はそれぞれの歯科医院で大きく異なっています。
参考値ですが、治療費の相場としては、1回の治療で5千~1万円程度が一番多いようです。
注意点として、上記の治療費はカリソルブの処置にかかる費用であって、その後必要となる詰め物などの料金は別途かかります。
3.カリソルブと、従来の削る虫歯治療との比較
削る虫歯治療の痛みや不快感が苦手という人にとって、カリソルブは非常にありがたい治療法だと思います。
そこで気になるのが、削る虫歯治療と削らない虫歯治療であるカリソルブの違いだと思います。
ここでは、通院回数や治療時間等についてご紹介します。
3-1.カリソルブの通院回数
保健診療の虫歯治療では多くの場合、数回で通院が完了しますが、実はカリソルブもそれほど変わりません。患者さんのそれぞれの虫歯の状態にもよりますが、極めて初期の虫歯であれば、1回で終わることもあります。
3-2.カリソルブの治療時間
次に、削らない虫歯治療であるカリソルブと、保険診療の虫歯治療における治療の比較です。
これまで保険での虫歯治療を受けたことのある人ならお分かりかと思いますが、ドリルで削る虫歯治療自体は数分から数十分で終わります。
一方、カリソルブは薬剤を塗布して、溶けた歯質を除去するという処置を繰り返し行います。虫歯になっている部分を、少しずつ時間をかけて取り除いていくこととなるため、1回の処置で30分以上はかかるものとお考え下さい。
4.歯を削らない治療はカリソルブだけ?
上述のとおり、従来の虫歯治療とカリソルブとでは、治療方法や治療費、治療時間など、いろいろな点で異なると言えます。
カリソルブは、治療に伴う痛みや不快感を回避できる素晴らしい治療法ですが、現在では、同様の方法で虫歯を治せる治療法も存在しています。
具体的には、ドックベストセメントや3Mix-MP法などが挙げられ、これらもドリルを使わず薬剤などによって虫歯を取り除くことが可能となっています。
まとめ
カリソルブとは、歯を削らずに虫歯を治せる方法で、歯科治療嫌いの多くの人にお勧めできる素晴らしい治療法です。
ただ、従来の虫歯治療と比較すると、治療方法を始めとして、治療費、治療時間が大きく異なるため、メリットとデメリットの両方があると言えます。
それらを考慮した上で、虫歯の治療方法を検討・選択してみてはいかがでしょうか。
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