近年、お口の中の健康を改善するために重曹によるうがいの効果が脚光を浴びてきています。
重曹うがいをする事によって、虫歯、歯周病の予防と改善、口臭の予防、歯のホワイトニング効果があると言われています。
この重曹うがいですが、水とお湯では、効果に差があるのでしょうか。
ここでは、重曹うがいの概要と、水とお湯では、効果に差があるかについて説明します。
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1.重曹うがいの効果
1-1.重曹とは
重曹とは、天然の無機物の炭酸水素ナトリウムのことで、弱アルカリ性の性質を持っています。
重曹は料理の際に利用されたり、キッチン用の洗浄剤にも配合されたりしています。
食事をすると口の中の虫歯菌が歯垢などを栄養分として、酸を産生します。
そうすると普段は中性の状態に保たれている口の中が、一気に酸性に傾いていき歯の表面のエナメル質などが溶け出し虫歯になりやすい状況が作られます。
唾液の働きで、この酸性に傾いた状態を元の中性の状態に戻そうとする緩衝作用という働きがあるのですが、重曹にも唾液と同じようにこの緩衝作用があると考えられています。
よって重曹うがいをすることによって、口の中を中性の状態に保つ事を助ける事ができ、虫歯の予防効果が見込めることができます。
1-2.重曹による口臭予防効果
重曹の口臭予防の効果については、重曹自体に洗浄作用がありますので、口臭の原因となっている口の中の食べかすなどを除去してくれる効果があります。
さらに、口の中の食べカスは酸化物で酸性です。
そこに弱アルカリ性の重曹が働く事によって、その働きを中和してくれるという事が考えられます。
また、重曹自体に消臭作用があると言われていますので、口臭そのものを抑える働きがある事も考えられます。
1-3.重曹による口内炎治癒促進
重曹によって、口内炎の治癒が促進される働きも期待されています。
口内炎は口内炎を引き起こす細菌が、口の中で増加する事によって起こると言われていますが、重曹でうがいすることによって、この菌を殺菌して口内炎が早く治る事が考えられます。
1-4.重曹によるホワイトニング効果
重曹うがいによる歯のホワイトニング効果ですが、重曹うがいや、重曹を使って歯磨きをすると、2週間くらいで目に見えて歯が白くなったという事を聞く事があります。
これは、重曹による研磨効果によるものです。
前述しましたが、重曹はキッチンの研磨剤などにも含まれており、非常に洗浄作用が高い成分です。
重曹うがいを続ける事によって、この重曹の洗浄効果が発揮され、歯の表面についていたタバコのヤニや茶渋などの着色が落とされたということになります。
ただし、厳密に言えば、重曹は歯の表面の着色を落とすのみで、歯の色そのものを白くするホワイトニング効果はないという事が言えます。
また、重曹の研磨効果はとても強いため、重曹を使用して強く、頻繁に磨いたりすると、歯や歯肉を傷つける恐れがありますので、お止め下さい。
2.重曹でうがいの際、水でのうがいとお湯での違いはあるか?
重曹うがいは、重曹を小さじのスプ―ン一杯(3g)取り、水が入っている500mlのペットボトルに入れ、蓋をしてボトルをよく振って溶かします。
食後や歯磨きをした後に、喉でガラガラするのではなく、口の中でブクブクとうがいしてから、はきだしてください。
重曹はお湯で溶かした方が溶けやすいのですが、熱すぎると唾液の働きを阻害してしまう恐れがあるので、体温(37℃)より熱くないお湯で溶かすようにして下さい。
水とお湯とでは、基本的に効果に差はありません。
ただ、上述のとおり、お湯の温度が高いと唾液の働きを阻害してしまうため、重曹起因ではないですが、効果に差が出る可能性はあります。
3.重曹うがいに適した頻度
歯磨き前に行うと、歯や歯肉を傷つける恐れがあるので、歯磨き後に使用するのがいいでしょう。
頻度としては1週間に1~2回程度で十分と言えるでしょう。
まとめ
重曹うがいは、口腔内の健康に有効な効果もありますが、重曹の強い研磨効果により、やり過ぎると、逆に歯や口の中の粘膜を逆に傷つけてしまうことになります。
また、塩分もかなり含まれていますので、効果を求めて過度のうがいをすると、塩分摂取過多の状態になる事も予想されます。
重曹うがいは、あくまで歯ブラシ後の洗口剤と同様に使用するのがいいでしょう。
また、重曹うがいを使用して気になる症状などが出た場合は、いったん使用を止めて、歯科医院で口腔内の状態に異常がないか、チェックしてもらうようにして下さい。
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