重曹はとても安価な材料なので、常備されているご家庭も多いことでしょう。
それだけに、重曹うがいという形で、本来の用途とは違った活用の仕方をしているケースも珍しくはありません。
ではこの重曹というのは、そもそも何に使うものなのでしょうか。
そして、重曹うがいという、本来とは異なる使い方をすることに危険性はないのでしょうか。
ここでは、そんな重曹うがいのデメリットなどについて詳しく解説します。
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1.重曹うがいのメリット
重曹を使ってうがいをすると、様々なメリットを享受することができます。
まず、材料費が安いため、うがい液を低コストで作ることができます。
また、重曹はアルカリ性の物質であるため、酸性に傾いた口腔内の環境を中性へと戻し、虫歯の発生を抑制します。
その他、消炎作用によって、歯茎の腫れや口腔粘膜の炎症を鎮める作用も持ち合わせています。
このように、重曹でのうがいには、沢山のメリットがありますが、同時にデメリットも存在しています。
2.重曹うがいのデメリット
上述したように、沢山のメリットを持つ重曹うがいですが、以下に挙げるようなデメリットも存在していますので注意してください。
2-1.塩分の過剰摂取につながることがある
重曹でうがいをすると、塩分の過剰摂取につながることがあります。
なぜなら、重曹というのはいわゆる塩であり、重曹うがいに使用するうがい薬は、塩水に他ならないからです。
もちろん、重曹うがいというのはあくまで「うがい」ですので、そのままうがい液を飲み込むことはありませんが、毎日行っていれば誤飲という現象も起こり得ます。
特に嚥下障害のある人や、腎機能に異常があったり、高血圧で塩分を控えるよう医師から助言されていたりする人は、重曹でうがいをすることの危険性が高いといえます。
2-2.やりすぎると口腔粘膜に炎症が生じる
重曹には消炎作用がありますので、適度な濃度で適度な時間、うがいをする上では、口腔粘膜の炎症を抑える方向に働きます。
けれども、重曹うがいを頻繁にやり過ぎたり、高濃度のうがい液を使ったりすると、逆に口腔粘膜の炎症を引き起こすことがあります。
これは重曹うがいでの大きなデメリットといえます。
ただ、推奨されている濃度で1日に数回程度、重曹うがいをするのであれば、こうしたデメリットが生じることはまずありません。
2-3.強い研磨作用で歯が摩耗することがある
重曹は、うがい以外にも歯磨きに活用している人が多く見られます。
昨今、多くの人が関心を抱いている歯のホワイトニングに重曹が活用できるという話が広まり、自宅でも実践している人もいらっしゃることでしょう。
ただ、重曹には強い研磨作用があるため、歯磨きに活用することはあまりお勧めできません。
これは重曹をうがいや歯磨きに活用すると、歯を摩耗させてしまう危険性があるからです。
ですから、重曹をうがいという目的に限定するのであれば、まだ危険性は低いといえますが、歯磨きに活用すると、歯を傷つける危険性が高まるため注意が必要です。
3.そもそも重曹って何に使うもの?
ここまで、重曹をうがいや歯磨きに活用することのデメリットや危険性について解説してきましたが、そもそも重曹って何に使うものなのでしょうか。
3-1.食用の重曹
私たちにとって最も身近な重曹は、食用ですね。
料理の灰汁を抜いたり、魚介類の臭みなどを取り除いたりするのに、食用の重曹が使われることがあります。
台所に常備されている重曹は、主にこの食用の重曹といえます。
そして、重曹うがいでは食用のものを使用することが推奨されます。
3-2.工業用の重曹
工業用の重曹は、文字通り工場などで活用されています。
また、家庭でも食器やシンクのしつこい汚れを落とすのに使用されることがありますが、あくまで工業用ですので、重曹うがいに使うことは危険性が高いといえます。
3-3.医療用の重曹
医療用の重曹は、胃潰瘍など消化器系の病気に対して活用されることが多いです。
重曹はアルカリ性の物質ですので、胃酸のような強い酸に対して高い中和作用を持ち合わせています。
生成には手間がかかり、食用や工業用より値段が高いです。
4.まとめ
重曹うがいは、使い方を誤ると健康を害する危険性があります。
また、塩分との関りの深い全身疾患をお持ちの方にはあまり推奨できないうがい法といえます。
そうしたデメリットも踏まえた上で、重曹うがいを実践してみてはいかがでしょうか。
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