歯科治療というのは、口腔という非常に狭い空間で行うものですから、様々な原因で視野が阻まれることが多々あります。
特に臼歯や根管の治療を行う際には、肉眼で確認できないケースが出てきます。
そんな時、多くの歯科医師が使用しているのが「サージテル」です。
サージテルとは医療用の拡大鏡で、多様な倍率が用意されていますが、それぞれの見え方はどう違うのでしょうか。
ここでは、サージテルの倍率別に、その特徴や見え方の違い、どんな治療に適用されるのかについて説明します。
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1.サージテルの倍率
サージテルには色々な用途に合わせたタイプが用意されており、それぞれに3倍、5倍(6倍)、8倍、10倍といった倍率のレンズが販売されています。
当然ですが、倍率が上がるほど術野を詳細に見ることができますので、治療の精度は高まります。
2.サージテル各倍率の特徴
2-1.サージテル3倍の特徴や適応症
サージテル3倍は、今現在販売されている商品の中で最も低倍率なサージテルです。
ですから、歯内療法だけでなく補綴治療にも用いられるオールラウンドなタイプと言えます。
それなりの焦点深度と視野の広さを確保したい場合には最適と言えます。
2-2.サージテル5倍の特徴や適応症
サージテル5倍になると、遊離したエナメル質等を確認することができます。
この倍率は、顕微鏡の低倍率に相当します。
ですので、治療の精度をさらに高める際には有用な倍率と言えます。
2-3.サージテル8倍
サージテル8倍は、根管治療はもちろんのこと、コアの除去や死角となりやすい部位の治療にまで活用することができます。
具体的には上顎7番の遠心を治療する際には、サージテル8倍が有用となります。
2-4.サージテル10倍
サージテル10倍は、顕微鏡に近い視野で術野を確認することができます。
しかも顕微鏡とは異なり、機動性に富んでいますので、歯科治療の精度をより高めたい方にはお勧めのタイプと言えます。
3.メガネをかけていても使用可能か
これからサージテルを導入しようか検討されている歯科医師で、普段からメガネをかけている場合、サージテルを使用可能か気になることと思います。
サージテルには「ヘッドバンドタイプ」や「ヘッドマウントタイプ」呼ばれる商品が用意されており、普段メガネをかけている場合でも使用可能となっています。
ヘッドバンドタイプは文字通り頭に巻くバンドが付属しているため、メガネを装着したままでもサージテルを使用することが可能となっています。
4.メガネとサージテルを併用する際の注意点について
普段かけているメガネとサージテルを併用する場合は、「ヘッドバンドタイプ」や「ヘッドマウントタイプ」に限られますが、例えばフレームタイプやスルーザレンズタイプでも条件が整えばメガネとして使用することができます。
具体的には、これらのタイプのレンズに度を入れるということです。
その際には、眼科医の処方箋が不可欠となりますので注意が必要となります。
5.サージテルの価格について
サージテルは、商品の機能や倍率に応じて、色々なタイプの商品が用意されています。
また、それぞれのタイプで価格も大きく異なってきます。
例えばフロントレンズマウントタイプの3倍で、最も安価なものでも30万円程度となっています。
同じタイプで10倍のサージテルとなると50万円程度となってきます。
ですから、これからサージテルを導入予定の方は、単に治療の適応症だけでなく、価格についても検討材料として入れておく必要があると言えます。
まとめ
このように、サージテルには3倍、5倍・8倍・10倍といった複数のバリエーションが用意されており、その用途も価格も大きく違ってきます。
ですので、今現在歯科治療で拡大鏡を必要とする場面がどんなケースなのかを勘案しながら、どの倍率にするかを決定することが望ましいです。
サージテルの3倍にも10倍にも、それぞれ適したケースや個人差があるため、一概にどの倍率のサージテルが優れているとも言い切れません。
そうしたことを踏まえながら、ご自分にとって必要な倍率のサージテルを選択することが望ましいと言えます。
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