歯周再生療法とは、歯周病や加齢変化で失われてしまった歯槽骨や歯肉などの歯周組織を再生していこうとする治療法です。
主に、歯周病治療やインプラント治療の一環として適用されることが多いです。
この歯周再生療法はどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
また保険は適用されるのでしょうか。
ここでは、歯周再生治療(歯周組織再生誘導法)の概要と費用について説明します。
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1.歯周再生治療(歯周組織再生誘導法)とは
歯周再生療法の治療内容は、再生したい歯周組織周辺の歯肉を切開して開き、再生したい部分に直接組織再生を促す薬剤や人工膜、人工骨などを置き、歯肉を縫合で元の状態の戻して閉じていくという治療法です。
歯槽骨などの歯周組織が再生するには数ヶ月かかりますので、手術後一定期間待った後にインプラントを埋入するなど、次の治療ステップに移行していくという事になります。
2.歯周再生治療(歯周組織再生誘導法)の費用はどのぐらいでしょうか?
歯周組織再生療法は、近年発展してきた治療法で歯科医院でも行っているところと、行っていないところがあります。
そのため、ほとんどのケースにおいて保険が適用されなく、全額自費での治療になります。
自費治療のため、かかってくる費用も、各歯科医院によってかなり異なってきます。
実際の費用の内訳として考慮される事としては、まず再生したい組織の量や部位が挙げられます。
当然、広い範囲にわたって多くの組織を再生する場合には、それだけ治療内容も大きくなりますので、費用も高くなります。
2-1.部位による歯周組織再生療法の費用
部位という視点で歯周組織再生療法の費用を見てみると、例えば下顎の歯や歯槽骨等の治療をする場合は、上述のように薬剤等を直接該当部位に塗布したり、置いてきたりするような治療になります。
一方、治療する場所が上顎に位置する場合はケースによって術式が異なってきます。なぜなら、上顎には上顎洞と呼ばれる大きな空洞が鼻の横の方に存在していて、インプラントを埋入するための歯槽骨を作る必要があるからです。
この歯槽骨を作るために、この空洞の一部に再生材料を填入していくサイナスリフトと呼ばれる方法があります。
下顎に比べて上顎の歯槽骨は密度が少なく、再生が難しいことなどをふまえてこういった方法が開発されてきましたが、非常に高度な技術が歯科医師側に必要となり、その分手術費用も下顎に比べて高くなる傾向があります。
ただし、上顎でも下顎と同じように、再生したい部位に薬剤や膜を使用する術式が適用されるケースもあります。
2-2.使用する薬剤でも費用が異なる
歯周組織再生療法は、使用される薬剤によっても費用は異なってきます。
歯周組織再生療法で用いられる薬剤は、歯科医師でも中々全てを把握するのが困難なほど様々なものがあります。
これは、どちらかというと日本の治験システムは諸外国に比べて厳しく、開発中の薬を臨床の現場で適用する事が難しい場合があるため、どうしても新しい材料や薬はアメリカやヨーロッパなどで、開発された後に日本でも使用されるようになるという事が多い事にも起因しています。
さらに、日本の歯科医師は、実際には海外から輸入してきた薬剤を使用することになる事が多いので、調達コストが高くなり、その分費用も上がります。
2-3.診断にかかる費用
従来は術前の診断で一般的な2次元のレントゲン写真が利用されてきましたが、歯科用CTの普及もあり、現在は術前のCT撮影も当たり前のように行われるようになってきていて、診断にかかるコストも費用として考慮されます。
2-4.麻酔にかかる費用
実際の歯周再生療法の治療は1~2時間くらいの長時間の治療になります。
その際に、虫歯の治療と同様に部分麻酔で行うのか。
それとも静脈内鎮静法と呼ばれる方法で、半分眠ったような状態で長時間の治療によるストレスを避けて治療を受ける方法を選択するのか。
さらには全身麻酔下で治療を受けていくか。
麻酔による、術中の患者さんのコントロールの方法にも種類があり、それによって治療費も変化してきます。
2-5.治療費の相場
実際の治療費の相場ですが、上述にあるとおり、様々なケースが考えられ、医院によってもバラツキがあり示すのが正直難しいです。
あくまで参考ですが、5~10万円くらいと言われています。
まとめ
歯周組織再生療法は保険適用外のため、全額自費になるため、少なくても数万以上の費用がかかります。
さらに、歯槽骨をメインで再生するのか、歯肉の厚みや高さをメインで再生するかなど、術式も様々であり、使用する材料も術式によって費用が大きく変わってきます。
全体的にかかる治療費用も含めて、術前のコンサルティングで納得がいくまで、主治医と相談して下さい。
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