歯科で使用される歯磨剤やホワイトニングの薬剤に「ポリリン酸」という成分が使用されていることがあります。
この成分は人体や口腔内に危険な害はないのでしょうか?
ここでは、ポリリン酸とは何か、体に取り入れることの安全性について説明します。
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1.「ポリリン酸」って何?
1-1.「ポリリン酸」とは
ポリリン酸は、元である「リン酸」がさまざま状態に変化し使用されている化合物です。
リン酸自体は体内にもともと存在している害のない成分です。
ミネラルの中でもカルシウムの次に多く、骨や歯の形成にも関わる重要な物質です。
不足は無論だめですが、過剰摂取もよくありません。
食品などにもさまざまな効果を発揮するために利用されているため、過剰摂取には注意が必要です。
1-2.どんな食品に含まれている?
ポリリン酸は、さまざまな食品に添加されています。
例えば、ハムやソーセージなどの加工肉には、肉の結着性の向上や保湿力、弾力などを向上させて食感を向上させます。
また、複数のチーズを均一に混ぜて作るプロセスチーズには乳化剤として使用されています。
他には、ファミレス等でドリンクバーのコーヒーに香料として使用し、風味が損なわれるのを抑えたりしています。
更に、中華めん独特の食感をもたらす「かんすい」や、缶詰の中身の変色防止など「保存性」を向上させるためにも用いられます。
1-3.オーラルケアグッズにも含まれている!
また、この成分は歯科業界において、歯の黄ばみ等を落す「ホワイトニング効果」を期待するものとして、歯みがき粉などに配合されている商品があります。
また、歯科にととまらず幅広く使われている成分で、たとえば化粧品や育毛剤などにも配合されているものがあるようにポピュラーな成分です。
2.ポリリン酸は体に安心?
2-1.「ポリリン酸は危険」と言われるのはなぜ?
ポリリン酸は「元の状態に蘇らせる」という共通点のもと、さまざまな商品に使用されています。
そして単体で効果があるというよりも、成分をうまく活用することで効果を生み出すのですが、間違った使用方法を行うと危険である可能性もあることから、巷で「ポリリン酸は危険」だという考え(誤解)が起こることがあるのではないでしょうか。
2-2.ポリリン酸の作用
ポリリン酸の形状は、鎖状になっており、色々な長さのポリリン酸があります。
そして、長さにより、ポリリン酸の作用が違うのです。
食品に含まれるものに関しては、消費者がポリリン酸の過剰摂取による弊害も考えられます。
ポリリン酸に限らず、体に安心な成分と言え、過剰摂取は身体に悪影響を及ぼすものは沢山あります。
ポリリン酸の性質や体への影響などをよく理解して摂取することをお勧めします。
3.ポリリン酸の体内や口腔内での安全性
3-1.食品に含まれるポリリン酸の性質
リン酸塩が鎖状に重合した化合物で、食品の変色防止やソーセージなどの練り製品の保水性や結着性を増強する作用、またチーズなどの風味や色調などの向上・酸化防止などから「食品添加物」としてさまざまな食品に使われています。添加量の規定はなく、食品によってまちまちです。
一日に加工食品ばかり組み合わせて食べるのは、ポリリン酸の過剰摂取に繋がる可能性もあるため注意しましょう。
3-2.歯磨剤などに含まれるポリリン酸の性質
歯磨剤にポリリン酸が含有されている場合、鎖の長さが約7~14の「短鎖分割ポリリン酸」が配合されています。
この短鎖分割ポリリン酸はステイン除去効果を持っています。
この性質を利用し、ホワイトニングにも使用されています。
また、短鎖分割ポリリン酸は歯をコーティングする作用も持っています。
通常の過酸化水素水でのホワイトニングに混ぜることで、ホワイトニングしながら歯のコーティングもするので、再着色しにくくしてくれます。
また、カルシウムを引き付ける効果も持ち合わせており、歯質の強化にも働きます。
こちらも過剰摂取しないように、用法・容量を守って使用しましょう。
3-3.身体への安全性は?
ポリリン酸は体内に取り込まれても、ほとんどが腸管から吸収されず、糞便中に排泄されるため、一般的に毒性はないとされています。
ただし、一度に過剰摂取することにより、腸管壁を刺激して下痢を引き起こしてしまうことがあります。
また、リン酸濃度とカルシウム濃度を上げることが分っています。これにより腎臓の石灰化や結石を起こす可能性もあるので注意が必要です。
まとめ
ポリリン酸自体はあらゆる生物の中に元来ある成分で、危険なものではありません。
ですから「食品添加物は体に悪い」というイメージから、この成分すべてを否定するのは間違いと言えるでしょう。
ただし、どんなに安全な成分でも、過剰摂取による弊害は起こる可能性もあります。成分の性質をよく理解し、上手に生活の中に取り入れていきましょう。
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