虫歯と顎関節症というのは、一見すると何のつながりもない病気ですが、実はそれなりに関連性があります。
特に虫歯を治療せず放置すると、顎関節症を引き起こすこともあるのです。
ここでは、虫歯を放置した場合になぜ顎関節症を引き起こすのか、また、顎関節症へとつながりやすい年代などについて詳しく解説します。
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1.虫歯の放置が顎関節症につながる理由
顎関節症というのは関節の異常な形態や歯ぎしりなど、その原因は様々です。
中でも嚙み合わせの悪さが原因で顎関節症になっている場合は、すんなりと治療が進むわけではないので少し厄介です。
そして、虫歯を放置することで顎関節症を発症する理由というのは、噛み合わせの不具合に関係してくるといえます。
例えば、奥歯に虫歯ができて、治療をせずに放置し続けたとしましょう。
すると、奥歯には大きな虫歯の穴ができて、歯冠と呼ばれる歯の頭の部分の形が変化してしまいます。
本来、歯というのは、向き合っている歯ときちんと噛み合うような形態になっていますので、それが虫歯によって変形してしまうと、噛み合わせが狂うのです。
乱れた噛み合わせは1組の歯だけにとどまらず、歯列に全体へと及んでいきます。
その結果、顎の関節へと負担が集中し、顎関節症を引き起こすことがあるのです。
2.虫歯の放置が原因で顎関節症になりやすい年代
2-1.若い人ほど虫歯の進行が早い
一般的に病気というのは、年をとればとるほど、悪化するのが早いイメージがありますよね。
けれども、実際のところは若い人の方が病気の進行が早いケースも珍しくないのです。
虫歯もその病気の一つです。
若い人というのは、体全体の代謝も活発ですし、その分、病気にかかった時の進行も早くなる傾向にあります。
ですから、同じ虫歯でも70歳の人がかかる場合と、20歳の人がかかる場合とでは進行の度合いが大きく異なるのです。
そのため、若い人ほど虫歯にかかった場合に放置せず、すぐに治療を受けることが勧められるのです。
2-2.10代から30代が要注意
顎関節症は、どの年代でも発症する可能性のある病気ですが、とりわけ多いのが10代から30代です。
全体の中でこの年代の顎関節症患者は突出して多くなっているので、注意が必要です。つまり、虫歯の放置による顎関節症もこの年代に多くなる傾向にあります。
なぜなら、この年代では虫歯の進行も非常に早くなっているからです。
ただ、10代といってもまだ大人の歯が生えそろっていない段階では、顎関節症につながりにくいといえます。
というのも、子供の歯が虫歯になったとしても、最終的には大人の歯が生えてきますので、噛み合わせ全体に悪影響を及ぼすリスクは低くなります。
また、大人の歯が生えそろっていないということは、顎の関節もまだ発育途中にあるということなので、歯並びや噛み合わせの変化に順応しようとするのです。
2-3.ストレスの多い年代は顎関節症を発症しやすい
10代から30代というのは、ストレスが多い年代ですよね。
学校や職場などで受けるストレスは、精神的な負担になるだけでなく、歯ぎしりや食いしばりなどの悪習慣へとつながる原因にもなります。
ただでさえ、虫歯の放置で噛み合わせが悪くなっているのに、そこへストレスによる食いしばりなどが加わると、顎関節への負担はさらに増大します。
そういった理由からも、虫歯の放置による顎関節症は10代から30代がなりやすいといえるのです。
3.虫歯の放置が及ぼす顎関節症以外の悪影響
虫歯を放置すると、顎関節症以外にもいろいろな悪影響が生じます。
まず、虫歯になった歯がボロボロになり、最終的には抜け落ちることになります。
また、虫歯というのは感染症であり、周囲の歯に病変がうつる可能性もあります。
具体的には、すぐ隣の歯や噛み合っている歯が虫歯になることがあります。
それから、歯というのは神経や血管で歯茎などと通じているため、歯茎や歯槽骨の炎症を引き起こすこともあるのです。
4.まとめ
このように、虫歯の放置は顎関節症につながるだけでなく、他の歯や歯茎に虫歯や炎症を引き起こす原因にもなります。
とりわけ若い人ほど進行が早くなりますので、虫歯が見つかったら放置をせず、すぐに歯科医院を受診しましょう。
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