顎関節症の主な症状といえば、「カクカク」というクリック音です。
これは顎関節にある関節円板が異常な位置に移動していることが原因です。
その他、顎関節の痛みや口の開けにくさを感じるケースも珍しくありません。
そんな中、頭痛や吐き気、肩こりといった一見すると顎関節症とは無関係な症状を訴える患者さんもいらっしゃいます。
ここでは、これらの全身症状と顎関節症の関係性やその対処法などについて詳しく解説します。
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顎関節症と肩こり
顎関節症では、顎関節周囲の筋肉に痛みやこりを感じることがあります。
これは実際に咀嚼筋などが硬直することで、痛みやこりを感じているのです。
顎関節が正常な状態ではないと、ものを噛んだり口を開けたりした時に、顎関節のみならずその周囲の筋肉にも過剰な負担がかかることになります。
その結果、咀嚼筋などが疲弊し硬直などを起こすのです。
肩こりについては、顎関節症とは間接的に関連があるといえます。
顎関節の歪みは頸椎や背骨の歪みにもつながっていきます。
簡単にいうと、そうした歪みは普段の姿勢も歪めてしまうので、肩こりを引き起こすこととなるのです。
顎関節症と頭痛
顎関節は、下顎骨と頭蓋骨を連結している重要な部位です。
また、位置的にも脳に近いため、病態によっては頭痛を引き起こしても何ら不思議ではありません。
例えば、顎関節が歪んでいて、ものを噛む度に強い振動が頭蓋骨を通じて脳へと到達すると、頭痛などの症状を引き起こすことがあります。
正常な顎関節であれば、左右均等に咀嚼圧などが伝わるため、脳まで振動や刺激といった悪影響が及ぶことはまずないのです。
顎関節症と吐き気
顎関節症の患者さんの中には、時折、吐き気を訴える方がいらっしゃいます。
吐き気というのは、必ずしも顎関節症の主症状とはいえませんが、関連がないというわけでもありません。
なぜなら、吐き気というのは自律神経の乱れによっても生じることがあり、顎関節症でもそうした乱れは生じうるからです。
例えば、顎関節症の患者さんは、日常的に歯ぎしりや食いしばりなどを行っていることがあります。
その結果、顎関節症を発症させたり、症状を悪化させたりしているのですが、そもそもそうした口腔習癖がある人は、ストレスを受けやすい傾向にあります。
同時に、自律神経の乱れも起こりやすいといえます。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、両方が正常に働くことで心身ともに正常な状態を保つことができます。
そうした大事なシステムが乱れてしまうと、吐き気やめまいなどの症状が出ることがあるのです。
ただ、顎関節症によって自律神経が乱れることもあれば、自律神経の乱れが顎関節症の発症へとつながることもありますので注意が必要です。
市販の鎮痛剤や吐き気止めの有効性について
顎関節症によって頭痛や吐き気が生じたら、まずは医療機関を受診しましょう。
もちろん、市販されている鎮痛薬や吐き気止めでも、それなりに症状を抑えることができるケースもあります。
けれども、顎関節症関連の頭痛や吐き気というのは、根本的な原因を除去しなければ改善させることが難しいといえます。
ですので、市販薬に頼るのではなく、医療機関で病気の原因を突き止めてもらい、適切な治療を受けることが最善であるといえるのです。
その他の症状について
顎関節症はとても複雑な病気です。
その症状は顎関節の痛みにとどまらず、頭痛や吐き気などの全身症状を引き起こすこともあります。
その他、意外な症状としては耳の痛みや耳鳴り、眼精疲労や口腔乾燥が生じることもあります。
どれも顎関節周囲にある組織であり、日常生活を営む上でも欠かすことのできない器官ばかりです。
もちろん、顎関節症だけによってこれらの症状全てが生じるわけではありませんが、関連性が強いということは知っておいてください。
まとめ
このように、顎関節症では頭痛や吐き気、肩こりなど症状が起こることがあります。
それらがなぜ起こるのかについては、それぞれでメカニズムが異なりますが、顎関節との関連が強い場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
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