口内炎は、歯茎や頬の内側の粘膜など、いろいろな場所に生じる病気です。
口内炎自体はそれほど深刻でないかもしれませんが、その原因には重病が隠れているケースも考えられるため、心配になる方もいらっしゃるかと思います。
例えば、口内炎とともに発熱や耳の痛みが生じたら、口内炎が原因なのではないかと考える方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、熱や耳の痛みと、口内炎との関連について詳しく説明します。
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1.発熱や耳の痛みの原因は喉に出来た口内炎でもありえるのか?
1-1.喉にできた口内炎の正式な名前
皆さんは喉に口内炎ができたことはありますか?
実は、喉にできた口内炎は、正確には口内炎とは呼ばず、咽頭炎や喉頭炎という名前が付けられています。
口内炎というのは、あくまでお口の中にできた炎症性の病気なので、お口以外の場所に口内炎と同様の病気にかかると、病名も変わるのです。
では、喉にできた口内炎である、咽頭炎や喉頭炎では、発熱や耳の痛みの原因となり得るのでしょうか。
1-2.風邪でも生じる喉の奥の口内炎
咽頭炎や喉頭炎というのは、いわゆる風邪の一症状であり、発熱や耳の痛みを伴うことは、特に珍しくありません。
風邪の原因となるウィルスが、咽頭や喉頭といったお口の奥の方に感染し、炎症などを引き起こしていきます。ですから、喉にできる口内炎は発熱や耳の痛みの原因になると言えます。
ただ、なぜ喉の奥の口内炎が耳の痛みに通じるのかについては、患者様には過程が少しイメージしにくいかもしれません。
1-3.喉には耳に通じる通路がある
私たちのお口の奥には、耳管咽頭口(じかんいんとうこう)と呼ばれる通路があって、そこから耳へと通じています。
具体的には、咽頭から中耳へと通路が存在しており、体の外側と内側の気圧を調整する役割を担っています。
ですので、喉の奥にできる口内炎(咽頭炎または喉頭炎)、風邪のウィルスなどが増殖すると、そこから耳へと感染が広がり、耳の痛みを生じる中耳炎を発症することもあるのです。
2.喉にできる口内炎に対して予防策はあるのか?
歯茎にできる口内炎は腫れや痛みを伴う程度で、比較的症状が軽いですが、喉の奥にできる口内炎(咽頭炎または喉頭炎)は発熱、耳の痛みを伴うことがあります。
では、喉の奥にできる口内炎は、どうすれば予防できるのでしょうか。
2-1.うがいやマスクでウィルスへの感染を防ぐ
喉の奥にできる口内炎は、風邪を引き起こすウィルスが原因であることが多いです。
特に乳幼児の場合は、手足口病(てあしくちびょう)、ヘルパンギーナ(夏かぜの一種)であるといった、乳幼児がかかりやすい病気でも喉の奥にできる口内炎になることがありますので注意が必要です。
こうしたウィルスに感染しないことが、喉の奥にできる口内炎の第一の予防策と言えます。
具体的には、小まめにうがいをしたり、風邪が流行している時期にはマスクをしたりと、地道な対応が喉の口内炎の予防へとつながっていきます。
2-2.ストレスを減らして免疫力を高める
私たちが細菌やウィルスに感染する時は、たいてい免疫力が下がっています。偏った食事を摂っていたり、仕事や勉強などで過剰なストレスがたまっていたりすると、免疫力はどんどん下がります。
とりわけ睡眠不足には注意しましょう。たった一日眠らないだけでも、私たちの免疫機能は劇的に低下してしまうのです。
免疫が低下すると、本来かかるはずのなかった病気に簡単にかかるようになります。
2-3.喉や唾液腺にできたがんが原因のケースもある
喉にできた口内炎や耳の痛み、発熱といった症状は、喉や唾液腺にできた癌が原因である可能性も否定できません。喉頭や唾液腺というのは、癌がよく発生する部位ですので、あまりにも強い症状があらわれたら、すぐに歯科医師に診てもらうことをお勧めします。
歯科医師は歯だけなく、唾液腺や喉の専門家でもありますので、異常がある場合には正確な診断を下してくれます。
まとめ
喉にできる口内炎には、その原因にもっと大きな病気が隠れていることがあります。
風邪や乳幼児がかかりやすいヘルパンギーナであれば、喉の痛みや発熱などで済みますが、癌ともなるとそうはいきません。
ですから、発熱や痛みがあまりにも長く続くようでしたら、部位にもよりますが病院か歯科医院で診てもらいましょう。
喉にできる口内炎は、歯茎にできる口内炎のように患者様ご自身で確認することができませんので、病院か歯科医院で検査してもらうことが望ましいと言えます。
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